女性の外資系企業への転職

外資系企業には女性が働きやすい環境が整っていると、一般的によく言われていますが、実際はどうなのでしょうか?ここでは、外資系企業への転職をお考えの女性の方に、外資系企業の実情やチェックすべき項目についてご説明します。

外資系企業では多くの女性が活躍している

外資系企業には男性が多く勤めているというイメージを持たれている方も多いかと思いますが、実際には日系企業よりも女性の比率が高いことが一般的です。

外資系企業は年齢・性別・職種などのダイバーシティ(多様性)を重視して採用を行っており、性別の比率に関しては「女性の比率を○%にする」と目標を設定しています。実際にIT業界大手の外資系企業である日本IBMでは、1998年以降の積極的な女性活躍支援策の一環として、100~300人程度の採用者の内、少なくとも女性比率を30%以上にするという目標値を掲げています。(※注1)また証券会社大手のゴールドマン・サックスでは、2004年8月時点で従業員全体の40%を女性が占めています。(※注2)

※注1:大企業における女性管理職登用の実態と課題認識(独立行政法人労働政策研究・研修機構|2012年3月)
※注2:第1回JKSKインタビュー|ゴールドマン・サックス証券会社 村山利栄氏(NPO法人JKSK|2004年8月)

ダイバーシティとは?

多様性を促進し、尊重・活用することで、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築し、企業のパフォーマンスを向上させ優位性を確立することができるという考え方。2010年にゴールドマン・サックス証券が発表したレポートには女性登用の重要性が説かれており、女性の雇用率が男性並になれば、日本のGDPが15%押し上げられると主張しています。
(参考文献:ゴールドマン・サックス証券|ウーマノミクスレポート「女性の就労が経済に好影響を与える理由」|2013年4月)

仕事内容や昇進・給料に男女格差がない

現在日系企業に勤めている方であれば、男女間の仕事内容や昇進・給料の格差に不満を持ち、外資系企業への転職を考えた方も多いと思います。実際に、内閣府が2013年に発表した男女共同参画白書によると、女性の管理職比率は、アメリカ43%・フランス38.7%・ノルウェー34.4%となっているのに対し、日本は11.1%に留まっており、日本における女性のキャリアアップの門戸は広く開かれているとは言えません。

また、日系企業と日本に支社を持つ外資系企業を比較すると、前者では女性の課長職以上の管理職比率は5~8%に留まっていますが、後者では13~15%と圧倒的に多くの女性が重要なポストに就いています。外資系企業は、成果主義・能力主義の考え方を強く持っているため、性別によって仕事の内容やポスト・給料を区別することはありませんので、成果に対して正当なポストや報酬を受け取ることができます。

ただし、2点だけ注意点があります。1点目に、外資系企業の日本支社の幹部クラス・管理職クラスのポストが本国の人材だけで固められている場合、そのポストに現地採用の日本人が就くことは基本的にありません。また2点目に、外資系企業とは言っても、日本支社のトップのポストに女性が就く例は未だ極めて少ない状況です。

女性を支える制度が充実しており、運用されている

アメリカ・フランス・ノルウェーといった女性の社会進出の先進諸外国では、女性は結婚や出産をしても働き続けることが当たり前である、という文化が深く根付いており、日本の外資系企業においても、女性が働きやすい環境や制度が整えられています。ここでは代表的な2つの制度を紹介します。

産前休暇・育児休暇制度

各社の就業規則にも寄りますが、一般的には1年間~3年間の産前休暇・育児休暇を取得することができます。また、休暇中も給与を受け取ることができ、例えばコンサルティングファーム大手のマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社では、育児休暇中の社員に1年間基本給を支払う制度を整備しています。また、日系企業とは異なり男性の育児休暇も前向きに認められているため、夫も外資系企業に勤めているのであれば、交互に育児休暇を取得しながら子育てをするというプランもあります。加えて、託児所を併設する企業も多いため、子供を預けて働く女性も数多く居ます。

在宅勤務(SOHO)・短時間勤務(フレックスタイム)制度

子供が熱を出していて出社することが難しい場合や親の介護のために自宅に居なければならない場合に、在宅勤務(SOHO)や短時間勤務(フレックスタイム)を認めている外資系企業は数多くあります。例えば、日本IBMでは週4日以上を自宅で勤務して良いとする「ホームオフィス制度」や、月間勤務時間の60%~80%を短時間勤務に調整可能とする「フレックス短時間勤務制度」を導入しています。

目標への強いコミットと、高いマネジメント能力が求められる

これまで、外資系企業が如何に女性にとって働きやすく、やりがいがあるか説明してきましたが、成果主義・能力主義に対応し、タフな業務に耐え抜き、コンスタントに成果を残すことはもちろん求められます。また、産前休暇や育児休暇といった支援制度は整っているものの、長期間職場を離れることに変わりはないため、タスクマネジメントをきっちりと行い、職場復帰しやすい状況を自身で整える努力も必要となります。

とは言え、外資系企業の文化や制度が女性にとって魅力的であることは間違い無いかと思いますので、働きやすい環境で自身のキャリアアップを目指したい方は外資系企業への転職にトライしてみてはいかがでしょうか。