外資系企業が忙しい理由と残業の実態

外資系企業は忙しいという声を聞くこともあれば、一方でバカンスを楽しんだり女性も働きやすい職場という声を聞くこともあります。いったいどちらが本当なのでしょうか?

ここでは、外資系企業の忙しさの理由やワークライフバランスへの取り組みなどについて、詳しくご紹介していきます。

外資系が企業が忙しいと言われる3つの理由

日系企業よりも外資系企業が忙しいと言われる理由はいくつかありますが、主には人員規模、個人主義の徹底、グローバルであるという3点が大きく影響しています。

1.少人数でビジネスを回しているため

まず一つ目の人員規模というところでは、外資系企業は極力無駄な人件費を嫌いますので、利益率を低下させる人員を抱えることはありません。それにより、ビジネスが回る最低限の人員で業務をこなすことになりますので、一人一人の業務量が日系企業よりも多くなり、これが日々の忙しさへとつながっています。

逆に、少ない人員で高利益率を目指すからこそ、外資系企業の年収は高く、若くても仕事が任されるということにつながっていますので、厚待遇な外資系企業の構造的な問題とも言えるでしょう。

スペシャリストであると同時に、事務作業などもこなすジェネラリストの面も併せ持つT字型人材として動かなければならないことが、日系よりも忙しさが際立つ理由の一つです。

2.個人の目標が明確に定まっているため

次に、個人主義や人事評価が厳格な外資系企業では、個人の目標もしっかりと決まっています。高い給与を約束されている代わりに、コミットしなくてはならない高い目標も同時に設定されているため、目標達成に必要な膨大な業務をこなす必要があります。

また、個人の目標に加えて職務範囲も明確に定まっているので、日系企業のように大変な時には自分の仕事を誰かに手伝ってもらえばいい、という意識も捨てなくてはなりません。たとえば金融の分野では、日系企業にはアシスタントやバックオフィスなどがいますが、外資系企業にはそれらの人材がいないことが多く、一人ですべてを処理する必要があります。

特に、アメリカ系企業イギリス系企業などの成果主義が徹底されている企業では、個人ごとに定められた目標にコミットすることが求められるため、忙しい日々を送ることとなります。

3.グローバル企業であるため

外資系企業である以上、本国は別の国にあります。その多くが、アメリカやヨーロッパ諸国の国となりますが、欧米諸国と日本との間には時差が存在します。本国から見れば日本は支店の扱いですから、電話会議や出張が自然と本国のタイムスケジュールに左右されることになります。

そのため、毎週の早朝からの会議のために、資料の準備や寝起きをしなければいけないということや、深夜遅くに会議が開催されるといった状況が往々にして起こり、これが日々の忙しさへとつながっています。

また、会議だけでなく、通常の業務においても、日本で仕事が終わるころには海外で仕事が始まっているということも多いので、だらだらと仕事をしていると勤務時間がどんどん後ろに伸びてしまいます。そのため、外資系企業に勤務する人の多くは、夜は適当なところで切り上げて、朝早く出勤してメールを片付けるということが習慣化しています。

外資系企業とワークライフバランス

外資系企業では、会社では決められた勤務時間の中で仕事を終わらせ、なるべく残業がないように定時で帰る、という「ワークライフバランス」の考え方が浸透しています。

では、日系企業に比べて外資系企業の業務量が少ないのかといえばそんなことはありませんので、外資系企業に勤めているビジネスマンは日系企業よりも圧倒的に生産性が高い状態で仕事をこなしていることになりますが、実際はどうなのでしょうか?

ワークライフバランスの考えが生まれた背景

「決められた労働時間の中で働き残業はしない」「社員のプライベートを最大限尊重する」など、なぜ外資系企業は社員が働きやすい環境を整備するのでしょうか?それは「優秀な人材を確保するため」ということが大きな背景としてあります。残業が少なくプライベートも両立できる労働環境を整備し、高い給与水準を維持することで、他社に負けない採用力を高めているのです。

日系企業は長時間労働・サービス残業であっても、終身雇用・年功序列という「安定」というメリットを提供することでバランスを取ってきた経緯がありますが、一方で欧米を中心とした外資系企業は、高い給与水準・ワークライフバランスというメリットを提供する代わりに、実力主義・成果主義のドライな環境を前提としているのです。外資系企業と日系企業では、労働時間に対するスタンスがそもそも違いますので、これから転職を考えている方は強く共感してカルチャーになじむ必要があります。

評価は仕事の成果のみ。勤続年数は関係なし

上述の通り、労働時間に対する考え方が日本企業とは全く異なるため、外資系企業では長時間会社にコミットすること(残業や休日出社など)が、昇給や昇格につながるということは一切ありません。あくまでも目標達成率などの成果・実績をベースに人事評価や給与査定が行われます。

生産性高く仕事をし、定時で帰ることが美学とされる環境であるため、自分の仕事が終わっても上司が仕事をしていたら残業する、という日本人的な考え方はありません。むしろ、いつも残業ばかりしているのに目立った成果を残せていない社員は、いわゆる出来ない・使えない社員のレッテルを貼られてしまいます。こうしたスマートな考え方に魅力を感じて、外資系企業への転職を希望する方も数多くいます。

目標達成は必須。時間が足りない時はどうする?

時間内に業務を終わらせることでプライベートを充実させるということは、多くの人にとって理想的であり、日系企業もすぐに導入すべき良い文化だと思います。ただし、外資系企業であっても、やるべき業務を終わらせずにプライベートの時間を捻出できるかと言えば、答えはNoです。

なぜなら、外資系企業では高い水準の給与を得ることができる代わりに、求められる成果も高く設定されているためです。つまり、高い給料やポストを獲得したいのであれば、限られた時間内で仕事を効率良く片付け、かつ成果もしっかりと残すことが求められるということです。もちろん外資系企業に勤めるビジネスマンも、通常の業務時間内に仕事が終わらないケースはあります。その場合はどのように対処するのでしょうか?

その場合、多くのビジネスマンはオフィスには残らず、自宅に持ち帰って仕事をしているようです。自宅に帰り家族との食事や団欒が済んだ後に、自分の部屋で黙々と仕事を片付け、必要であれば週末の休暇も自宅で作業を行います。また、朝の時間を活用するビジネスマンも多く、他の社員が出社する1時間くらい前に出勤し、残作業を終わらせます。なぜ通常の業務時間が終わった後にオフィスで残業をしないかと言えば、外資系企業ではオフィスで残業を行う人は仕事が出来ないとレッテルを貼られてしまうことが多いためです。

役職者であればあるほどタフさが求められる

マネジャーなど役職者であればあるほど上記のような行動を取る人が多い、というのも外資系企業の特徴です。日系企業では出世すればするほど部下に仕事を預けて帰社したり、会食に足を運んだりといったことがよくありますが、外資系企業では真逆の構図のようです。

もちろん部下に仕事を一切預けないというわけではなく、外資系企業の役職者になると物理的に業務量が増えてしまい、また同時に緻密なマネジメントを求められます。マネジメントする範囲が広ければ広いほど、部下が多ければ多いほど、それに比例して時間が必要になります。よって、役職者で定時に帰宅することは難しくなります。

外資系企業のエグゼクティブは早起きだ、という話しを聞いたことがあるかもしれませんが、それは事実のようです。朝8時から役員が集まって会議をしているというのは珍しくありませんし、いわゆる朝派になるために、残作業がないときでも早起きすることを習慣化し、仕事がないときはジョギングなどで体を鍛えている人もたくさん居ます。

業務や労働時間をコントロールすることが大切

外資系企業は勤務時間が短い、残業が少ないというイメージは全てに当てはまるわけではなく、成果を出すことが最も求められるため、終わらなければ相当の対応をするのは当然、というのは外資系企業も同様です。

とはいえ、仕事が終わっているにも関わらず、上司の顔色を見て意味もなく残業する日本的な文化と比較すれば自由度・納得度は高いのではないでしょうか?業務に取り組む時間を自分でフレキシブルにコントロールできることは、外資系企業で働く大きなメリットと言えます。

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