データで見る外資系企業数・就業者数の動向

外資系企業は年々増え続け、就業者数も50万人を超えています。外資系企業の動向は世界経済の動きとも密接な関係がありますので、これまでの外資系企業の動向を把握して、今後の転職の際に役立てましょう。

リーマンショックを乗り越え、外資系企業数は過去最高水準に

経済産業省で毎年実施している外資系企業動向調査を参考に、外資系企業数の推移をまとめてみると、以下のグラフのように1997年から企業数は上昇傾向にありますが、過去2度、1999年調査と2009年調査で企業数が大きく減少していることが分かります。

外資系企業の推移

1999年の減少は、1997年7月にタイから始まったアジア通貨危機によるもので、1998年には日本もマイナス成長率を記録しており、外資系企業の撤退が相次いだことが原因です。

一方、2009年の減少は、2008年9月15日から始まったリーマンショックによる影響によるものです。2007年のサブプライムローン問題により、莫大な損失が各金融機関に発生し、日本でも9月から10月にかけて日経平均株価が急落して一時は6000円台まで下落しています。これを受けて、多くの外資系企業が、本国での建て直しや支社の撤退を決断しました。

日経平均株価を見れば、外資系企業数の推移が分かる?

外資系企業の進出と撤退は、日本というマーケットが世界の中でどれだけ魅力的かどうかということと、本社がどれだけ健全な経営状況にあるかという点から判断されます。

この日本のマーケットの魅力を測る一つの指標は、日経平均株価です。日経平均株価が低い水準にあれば、投資家から日本は投資国としての魅力が低いと判断されている可能性が高く、外資系企業も撤退を考えている可能性が高いと考えられます。

日経平均と外資系企業数の推移

株価は、基本的に将来性を織り込んで決定されますので、日経平均株価の停滞や下落は、外資系企業の撤退や規模縮小などの先行指標となります。逆に、日経平均株価が上昇を続けている場合は、外資系企業も今後は進出や拡大に前向きだと予測されます。実際、外資系企業数が大きく減少する前年には、日経平均はマイナス伸び率になっていますし、2002年~2007年まで日経平均に確かな上昇基調が見られる時には、比較的長い間で外資系企業数が10%前後の高い伸び率を記録しています。

この日経平均の動きに加えて、過去に起こったようなアジア通貨危機やリーマンショックなどの世界的な経済縮小がないかといったことやドル円・ドルユーロの推移なども併せて調べておくことで、かなりの精度で外資系企業の今後数年の動向を読むことができます。

そういった動向は、企業の撤退・進出判断に影響するだけでなく、中で働く人にとっても雇用枠や報酬額などに大きく関わってきます。したがって、金融以外の業界への転職であっても、日本マーケットの動向や世界経済の動きをしっかり把握している必要があるのです。

なお、2013年12月時点の日経平均株価は、非常に高い伸びを示しており、リーマンショック前の2007年の水準まで価格を戻してきていますので、外資系企業の羽振りも非常に良くなってきていると推測されます。したがって、外資系企業への転職を検討する時期としては、ここ数年の間でもかなり良いタイミングと言えるでしょう。

製造業は横ばい、非製造業の比率が高まり8割に

製造業の外資系企業数は1997年から横ばいが続いておりますが、非製造業の件数は伸び続けているため、1997年に67.0%だった非製造業の割合が、2012年時点では82.6%まで高まっています。日本は人件費が高いので、製造業などには適さない国となってきており、国内の日系企業の動きを見ても海外に生産拠点を移転しようとする動きが多く見受けられます。

一方、2012年調査の外資系企業動向調査の業種別の内訳を見てみると、卸売が全体の42.2%を占めています。ただ、卸売と一口に言っても総合卸売、食品卸売、衣料品卸売、化学卸売、燃料卸売、医薬品卸売、機械卸売など非常に多岐に渡りますので、企業も多種多様です。

次に多いのは、飲食・ホテル・人材紹介などのサービス業となります。それぞれ、日本マクドナルドやリッツカールトン、アデコなどが有名です。

CMなどでよく目にする日本マイクロソフトや日本アイ・ビー・エム、日本オラクルなどは情報通信業にあたります。また、「ハゲタカファンド」などでイメージの強い金融業は、アメリカンファミリーやAIUなどの保険会社と併せても全体の5%に満たないことが分かります。

非製造業の外資系企業数

一方、製造業で一番企業数が多い業種は、住友ダウ(ロバート・ウォルターズや住友化学とダウ・ケミカルの合弁事業)などが属する「化学」で、その次に「輸送機械」や「情報通信機械」が続きます。非製造業に比べると、各領域間の開きは少なくなっています。

製造業の外資系企業数

アジア系企業が急伸!母国籍別の外資系企業数の推移

母国籍別に外資系企業を見ていくと、アジア系企業とヨーロッパ系企業の企業数の伸びが著しい一方で、アメリカ系企業はさほど増えていないことが分かります。アメリカは世界経済の動向を敏感に読み取って動くと言われていますので、アメリカにおける日本マーケットの相対的な重要度が低下しているということでしょう。最近では、アジアの地域統括本部もシンガポールや北京・香港に移ってきており、企業によってはレポートラインが本国ではなくシンガポールや中国というケースも段々と増えてきています。これからは、日本はアジア地区の一つという認識が年々強くなっていくでしょう。

ただ、プロダクトアウトが中心のアメリカにとって製造拠点や商品開発拠点に力を入れるのは自然なことで、マーケットインが強い欧州は、引き続きマーケティング拠点としての日本を重要拠点としてとらえているようです。

2012年調査時点の新規参入企業の大まかな割合は、アメリカ系企業3:アジア系企業3:ヨーロッパ系企業4となっており、今後はアジア系企業の占める割合が増えていくことが予想されます。今後は、転職の求人も活況なアジア系企業の比率が多くなってくるでしょう。

国籍別の外資系企業数

年々増え続けている外資系企業の就業者数

外資系企業の従業員数は、2012年調査時点で56.3万人となっています。うち製造業が35.7%、非製造業が64.3%となります。企業数は製造業555社、非製造業2639社なので、この値から平均雇用者数を算出すると、製造業が362人、非製造業が115人となります。

外資系企業の従業員数推移

また、主要業種別の従業員数を見てみると、前年よりも伸びている業種は、製造業では医薬品、非製造業では卸売と小売、サービス業となっています。雇用者が増えている業種は、企業体力も期待できるので、転職先としても有望です。

主要業種別の外資系企業の従業員数推移