北欧系企業で働く・求人を探す

ここでは、スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランドの北欧4カ国の外資系企業の特徴と国別の産業動向について解説しています。北欧の外資系企業の多くは定常的に採用活動を行っていないため、積極的に転職活動を行うことは難しいと言えますが、北欧の外資系企業だからこそ享受できる大きなメリットが存在するため、転職活動における予備知識としてチェックしておきましょう。

北欧の外資系企業の特徴

世界最大の福祉国家が名を連ねる北欧諸国の外資系企業は、働きやすさや公平性・平等性を重視する方にとって魅力的であると言えます。ここでは北欧の外資家企業の2つの特徴について解説しています。

ワークライフバランスの考え方が根付いている

2013年に国連が発表した世界幸福度調査によると、デンマーク(1位)・ノルウェー(2位)・スウェーデン(5位)・フィンランド(7位)と上位を北欧諸国が席巻しており、一方で経済大国の日本(43位)・アメリカ(17位)という結果になっています。この幸福度の高さは、北欧諸国がワークライフバランス先進国として様々な取り組みを実施してきた賜物であり、北欧の外資系企業についてもライフワークバランスの考え方が根付いていると言えます。

外資系企業への転職において、高い年収やキャリアアップのスピードに目が向きがちですが、日系企業では実現の難しい労働環境やプライベートタイムの充実を求めて、北欧の外資系企業への転職を選択するのも良いでしょう。

女性の働きやすい環境が整っている

北欧諸国の女性の就労率の高さは有名であり、2013年にOECDが公開した雇用アウトルック2013のデータによると、日本の25歳~54歳の女性の就労率が69.2%に留まったのに対して、スウェーデンで82.5%・アイスランドで82.3%・ノルウェーで82.1%となっています。

また、スウェーデンを例に挙げると、政治の要職(大臣や国会議員など)に女性が占める割合は約50%となっており、国家レベルで女性のキャリアアップが実現しやすい制度や文化が整っていると言えます。さらに、ノルウェーでは「クオーター制」という法律が施行されており、例えば取締役が10人以上の民間企業であれば、4割以上を女性にしなければならないというルールになっています。

よって、性別や年齢に関係なく正当な人事評価を得てキャリアアップを目指したいとお考えの方にとって、北欧の外資系企業は非常に働きやすいと言えます。

国別に見る北欧の外資系企業

ここでは、各北欧諸国の基本情報・産業構造・著名な外資系企業について解説しています。北欧諸国とひとくくりに言ってもそれぞれ異なる特徴を持つため、転職活動の基本情報としてチェックしておきましょう。

スウェーデンの外資系企業の動向

スウェーデンは、2012年度の名目GDPランキングで世界22位となっていますが、国民一人あたりの名目GDPは世界7位となっています。産業構造としては、国土の約65%を占める森林と豊富な水源を活かした農林水産業と製造業が主要産業となっています。特に通信機器メーカーのエリクソンが著名であり、日本法人のエリクソン・ジャパン株式会社は、外資系No.1の通信インフラプロバイダとして知られています。また、IKEAやH&Mといった消費財メーカーも着実に日本市場におけるシェアを広げています。

代表的なスウェーデンの外資系企業の動向

1.ボルボ(自動車メーカー)

ボルボ(Volvo)は、スウェーデンを本拠としており、ボルボ・トラックス、ルノートラック、マック・トラックス、UDトラックス、ボルボ・バス、ボルボ建設機械、ボルボ・ペンタ、ボルボ・エアロ、ボルボ金融サービスの、計9部門を擁する企業グループであり、トラックから軍用ジェットエンジンまでを網羅するコングロマリットです。日本においては、日産ディーゼル工業(現・UDトラックス)を買収・完全子会社としており、主にトラック部門と建設機械部門を中心に事業展開を行っています。また日本国内において、一般的に乗用車メーカーとして認識されていることが多いボルボですが、乗用車部門は1999年にアメリカのフォード・モーターに分離売却されています。

2.エリクソン(通信機器メーカー)

エリクソン(Telefonaktiebolaget LM Ericsson)は、スウェーデン・ストックホルムに本社を置く通信機器メーカーであり、特に移動体通信(携帯電話)地上固定設備の分野においては世界最大のメーカーです。以前は、独自に携帯電話端末を製造していたこともありましたが、世界最大の携帯電話端末メーカーであるノキア(フィンランド)の攻勢を主な要因としてシェアが低下したため、現在の地上固定設備に特化する戦略へと方針転換しています。具体的なシェアとしては、世界180カ国・50億以上の全モバイル端末の約40%がエリクソンのシステムを通じて利用されており、やはり圧倒的なシェアを誇ります。

また、日本においては、1992年に完全子会社であるエリクソン・ジャパン株式会社を設立し、現在では主にソフトバンクモバイルとイー・モバイルに地上固定設備を提供しており、外資系No.1の通信インフラプロバイダとしての地位を確固たるものとしています。

3.IKEA(家具メーカー)

イケア(IKEA International Group)は、スウェーデン発祥のオランダに本社を置く家具メーカーであり、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアなど世界各国で家具メーカーとしての抜群の認知度を誇ります。IKEAの経営手法の特徴として、売上高は250億ユーロを超えるものの、世界のいずれの国でも株式を公開していない(上場していない)ことが挙げられます。

また、日本においては、1974年に大阪の三井物産資材部・湯川家具・チトセ(現・アイリスチトセ)・東急百貨店が、IKEAスウェーデンとの契約のもと、合弁会社「イケア日本株式会社」を設立したものの、業績不振もあり1986年に撤退しました。その後、2002年に再度日本市場への参入を行い、日本法人のイケア・ジャパンを設立し、現在8店舗を運営しています。

4.H&M(アパレルメーカー)

H&M(エイチ・アンド・エム)は、スウェーデンに本社を置くアパレルメーカーであり、ファストファッション(低価格かつファッション性のある衣料品)に特化した製品を製造・販売しています。2009年時点で計35ヵ国に約2,000店舗を出店しており、日本においては2008年9月に1号店を出店しています。

代表的なスウェーデンの外資系企業

サーブ(自動車メーカー)、ボルボ(自動車メーカー)、エリクソン(通信機器メーカー)、エレクトロラックス(家電メーカー)、ハッセルブラッド(カメラ・レンズメーカー)、IKEA(家具メーカー)、H&M(アパレルメーカー)

デンマークの外資系企業

デンマークは、2012年度の名目GDPランキングで世界34位となっていますが、国民一人あたりの名目GDPは世界6位となっています。産業構造としては、北海油田を中心とした鉱業およびエネルギー産業(石油・天然ガス・風力発電)と、豊かな土壌を活かした農業・畜産業が中心となっています。また、豊かな鉱物資源やエネルギーを活かした製造業も盛んであり、オーディオメーカーのバング&オルフセンや、プラスチックの知育玩具を製造・販売するレゴは世界的なシェアを持っています。

代表的なデンマークの外資系企業の動向

1.バング&オルフセン(オーディオメーカー)

バング&オルフセン(Bang & Olufsen)は、デンマークに本社を置くオーディオ・ビジュアル製品メーカーであり、主にオーディオ製品・テレビ・電話機を製造・販売しています。特にオーディオ機器は、デザイン性の高さや音質の高さから世界中に愛好家が多く、バング&オルフセンの主力製品となっています。また、カーオーディオの分野では、ドイツのBMWやフォルクスワーゲングループに製品の提供を行っています。

2.レゴ(知育玩具メーカー)

レゴ(LEGO)は、デンマークの玩具メーカーであり、知育玩具として著名なLEGOブロック(プラスチック製の組み立てブロックの玩具)を製造・販売しています。LEGOは、元々家具の製造・販売を行っていましたが、その後、木製玩具を主力商品とし、さらに1949年以降はプラスチック製玩具を主力商品としてきました。日本においては、1978年に日本法人である日本レゴ株式会社を設立し、その後1989年にレゴジャパン株式会社へと組織変更し事業を展開しています。

3.ロイヤルコペンハーゲン(陶磁器メーカー)

ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)は、デンマークに本社を置く陶磁器メーカーであり、日本の古伊万里染付の技法をベースとした手書きによるコバルトブルーの絵柄が世界的に著名です。

代表的なデンマークの外資系企業

バング&オルフセン(オーディオメーカー)、レゴ(知育玩具メーカー)、ロイヤルコペンハーゲン(陶磁器メーカー)、エコーシューズ(シューズメーカー)、A.P. モラー・マースク(海運業)、サクソバンク(投資銀行)、カールスバーグ(飲料メーカー)

ノルウェーの外資系企業

ノルウェーは、2012年度の名目GDPランキングで世界23位となっていますが、国民一人あたりの名目GDPは世界3位となっています。産業構造としては、北海油田を中心とした鉱業(アルミニウム)およびエネルギー産業(石油・天然ガス・水力発電)、また周囲の海を活用した水産業と海運業が主要産業となっています。

代表的なノルウェーの外資系企業の動向

1.フロントライン(海運業)

フロントライン(Frontline Ltd.)は、バミューダ諸島ハミルトンに本拠を置くタンカーの世界最大手の海運企業であり、原油の輸送を主要事業としています。フロントラインはオスロ証券取引所並びにニューヨーク証券取引所に上場しており、OBX指数の構成銘柄となっています。

2.スカンジナビア航空(航空会社)

スカンジナビア航空(Scandinavian Airlines System)は、スウェーデン・デンマーク・ノルウェーのスカンジナビア三国の共同で運航する航空会社であり、本社はスウェーデンの首都であるストックホルムにあります。近年、北欧やバルト三国にある航空会社を積極的に買収し、また世界各国の航空会社との連携を強めるなどして、現在では、保有機材数133機・就航地112都市の世界でも有数の航空会社となっています。(日本においては成田国際空港への就航を行っています。)

3.ノルスク・ハイドロ(化学メーカー)

ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro ASA)は、ノルウェー・オスロに本社を置く化学メーカーであり、アルミニウムと再生可能エネルギーに関する事業を行っている企業です。特にアルミニウムついては、世界5指に入る生産量を誇り、約40ヵ国・従業員数2万人以上の規模で事業を展開しています。また近年では、アメリカのウェルズ・アルミニウム社、ドイツのフェライニヒテ・アルミニウム・ヴェルケ社、フランスのテクナル社といったアルミニウム生産の関連企業を積極的に買収しています。

4.ヤラ・インターナショナル(化学メーカー)

ヤラ・インターナショナルASA(Yara International ASA)は、ノルウェー・オスロに本社を置く世界最大の窒素肥料メーカーであり、尿素・硝酸塩・アンモニアといった窒素化合物を主とした窒素肥料の製造・販売を主要事業として展開しています。また、ヤラ・インターナショナルは、2004年3月に、同じくノルウェーのノルスク・ハイドロが上場する際に部門を独立して設立された企業ですが、現在ノルスク・ハイドロ社はヤラ・インターナショナルの経営権を持っていません。

代表的なノルウェーの外資系企業

フロントライン(海運業)、ワレニウス・ウィルヘルムセン・ラインズ(海運業)、スカンジナビア航空(航空会社)、DNB ASA(金融機関)、ノルスク・ハイドロ(化学メーカー)、ヤラ・インターナショナル(化学メーカー)、ヘリーハンセン(アパレルメーカー)、ファストサーチ & トランスファ(IT)、メルトウォーターグループ(IT)

フィンランドの外資系企業

フィンランドは、2012年度の名目GDPランキングで世界44位となっていますが、国民一人あたりの名目GDPは世界16位となっています。産業構造としては、他の北欧諸国と同様に鉱業・エネルギー産業・林業などが盛んであることはもちろん、フィンランド特有の産業であるハイテク産業(工業・化学)に大きな強みを持っています。特に、フィンランドの電気通信機器メーカーであるノキアが著名であり、韓国のサムスンに並ぶ世界最大手の携帯電話メーカーとなっています。

代表的なフィンランドの外資系企業の動向

ノキア(電気通信機器メーカー)

ノキア(Nokia Corporation)は、フィンランド・オスポーに本社を置く電気通信機器メーカーです。特に携帯電話端末の分野に強みを持っており、1998年から2011年までの携帯電話端末の市場占有率・販売台数の双方で世界トップのシェアを誇っていました。しかしながら近年では、スマートフォン戦略やアメリカ市場への戦略の迷走を主な要因としてシェア率が低下し、2012年第一四半期においては、韓国・サムスンに次ぐ世界2位となりました。また、携帯電話の通信設備の分野においては世界第2位となっており(世界第1位はスウェーデン・エリクソン社)、ドイツのシーメンスと事業提携するなど国際競争力の高い事業となっています。

日本においては、1989年4月に完全子会社のノキア・ジャパン株式会社を設立し、携帯電話端末の販売事業を展開し始めたものの、日本国内のドコモやソフトバンクといったキャリアとの競争に打ち勝つことができず、2011年8月に携帯電話端末の分野において日本市場から完全撤退しています。また、通信設備の分野については現在も日本でサービスを提供しています。

代表的なフィンランドの外資系企業

ノキア(電気通信機器メーカー)、ストラ・エンソ(製紙業)、UPMキュンメネ(製紙業)、コネ(エレベータ製造・販売)、ネステ・オイル(化学メーカー)、アーカー・フィンヤーズ(造船業)

北欧系企業に強い転職エージェント

北欧系企業へ転職するにあたっては、求人情報はもちろんのこと、個別企業の経営スタイルや事業戦略、企業風土、人事評価制度、報酬体系など、事前の情報収集が非常に大事です。また、企業ごとの職務経歴書のポイントや面接通過のポイントなどの情報についても、事前におさえておきたいところです。一人で情報収集をするのは限界がありますので、外資系に強い下記転職エージェントを活用して情報を効率的に集めましょう。

リクルートエージェントは、国内最大手ということで他社に比べて非公開求人数も圧倒的なので、まずはじめに登録しておきたい転職エージェントです。企業の情報量についても群を抜いていますので、応募先の内部情報や面接前後のフォローなど手厚いサポートを受けることができます。アデコは、スイス発の外資系転職エージェントなので、欧米系の求人に強いという特徴があります。また、外資系の企業に精通したコンサルタントも豊富で、登録後に色々なアドバイスを受けることができます。一方、JACリクルートメントは、ロンドン発祥の日系転職エージェントで独自のグローバルネットワークと豊富な非公開求人(全体の70%)を保有しています。

関連記事