未経験から外資系企業へ転職する

成果主義の外資系企業は、実務経験の豊富な即戦力の人材に限って採用を行っているのでしょうか?それとも、未経験の人材に対しても採用の門戸を広く構えているのでしょうか?ここでは、未経験でも外資系企業に転職したいとお考えの方に、未経験からの転職のポイントについて解説しています。

1.正社員への転職が難しいケース

まず、正社員としての実務経験が無い場合や乏しい場合(3年未満など)は、正社員への転職は極めて難しいと言えます。また、正社員としての実務経験が3年以上ある場合であっても、異常に転職回数が多い場合や長期の休職期間が存在する場合も、外資系企業の採用担当者がマイナスの評価を下すことが多く、転職は難しいと言えます。

もちろん、正社員ではなく派遣社員やアルバイトとして外資系企業で働くこともできますが、タフな業務に見合った給与を得ることは難しく、あまりおすすめできる選択ではありません。

2.外資系企業での実務経験が無くても転職できるのか?

外資系企業への転職にあたって、エグゼクティブクラスへの転職のように特殊な例を除いては、外資系企業での実務経験が必須の人材要件となることはほとんどありません。転職活動において実務経験が高く評価されることに間違いはありませんが、日系企業での実務経験も十分評価の対象となります。

むしろ、外資系企業にとってみれば、日系企業からいかに優秀な人材を引き抜けるかが採用課題とも言えます。その際、外資系企業は外資未経験人材に対して、採用の際に次のようなポイントを重視します。

  • 現在の職種にどのような専門性を持っているか
  • 日本マーケットをどれだけ熟知しているか
  • 自社の文化やワークスタイルに適応できるか
  • 英語力やディスカッションなど、コミュニケーション力があるか

上記のポイントについて、以下でひとつひとつ詳しく解説していきます。

現在の職種にどのような専門性を持っているか

採用の際に一番重視されるのは、日系企業での勤務を通してどのような専門性を育んできたかという点です。多くの外資系企業では利益に貢献できる即戦力人材を求めているため、「何ができるのか」という点に重きを置くのです。日系企業での目立った実績や、入社後にどんな貢献ができそうかを整理しておくと良いでしょう。

日本マーケットをどれだけ熟知しているか

外資系企業は、元々が日本には馴染みがなく土地勘を持っていないところも多いので、どうすれば日本マーケットでのシェアを伸ばしていけるかという点で課題を抱えていることが多いのです。そこで、採用する日本人には日本マーケットにどれだけ理解があるか、プレゼンスがあるかということを重視して採用します。日系企業で培ったマーケティングノウハウや企業とのコネクションがある方は、採用面接などの際に大きな武器となります

自社の文化やワークスタイルに適応できるか

いくら優秀な人材でも、社内になじむことができなければ十分な力を発揮できずに会社を去ることになるというリスクがあります。外資未経験の人材は入社後のギャップに耐えられるかを見極められますので、国籍別の企業の大まかな特徴や応募先企業の経営スタイル、企業文化、人事評価、報酬体系、残業実態など日系企業との違いを事前に調べておくとよいでしょう。なお、個別企業の情報収集には転職エージェントを活用するのが効率的です。

英語力やディスカッションなど、コミュニケーション力があるか

日本人にとって、一番の不安要素が英語力やディスカッション力です。ごく一部のスイス系企業のように徹底したローカライゼーション戦略を取っている企業や、営業先のメインが日系企業という場合には、英語力を必要とされないケースもありますが、本社との電話MTGやメール・文書での通知などもありますので、入社前の英語力はビジネスマン向けのオンライン英会話などを活用して意識的に高めておくとよいでしょう。

また、日本人はディスカッションが苦手とも言われています。「空気を読む」ということが日常化しているために「言わなくても伝わるだろう」と考えてしまうことが多く、会議で声に出して発言することよりも会議後の調整などに力を注いでしまいがちですが、外資系企業では「発言しない者は会議に参加する意味がない」というのが常識となりますので、日頃からディスカッションの習慣を身につけておくことが大切です。

自社の文化やワークスタイルに適応できるか

外資系企業には日系企業にはない特有の文化や商習慣もあるため、それに順応できるかも重要です。たとえば、外資系企業の大まかな特徴として、経営スタイルはトップダウン、短期的な利益を重視、徹底した成果主義と報酬体系、時差の関係で昼夜を問わない社内電話会議が定期的に行われる、少人数のためアシスタントがつかない場合が多いなどの特徴がありますが、個別企業で異なるポイントも多いので、事前リサーチと受け入れることができそうかをあらかじめ検討することが必要です。

未経験の業界・職種に転職できるのか?

自身のキャリアアップ戦略として、未経験の業界や職種にチャレンジしたいとお考えの方に、転職活動を成功させるポイントを解説します。

求められるベーススキルに大きな違いがない

例えば、IT業界の営業から化粧品・コスメ業界の営業へ転職する場合や、経理部門から財務部門に転職する場合など、業界知識や専門知識を除いて、求められるベーススキルに大きな違いがない場合は、転職が成功する可能性は決して低くはありません。もちろん、転職後に率先して情報収集を行い学習するスタンスが強く求められます。

極めて専門性の高い業界や職種ではない

戦略系コンサルティング企業やITエンジニアなど、長期の実務経験と専門的なノウハウ・資格が必須となる業界・職種への転職は、現実的に厳しいと言えます。外資系企業の定める人材要件(求人票)に細かく指定されていますので、必ずチェックしておきましょう。

未経験であっても求められるスキルとスタンス

未経験の人材を採用することは、外資系企業にとってリスクの大きい選択であるため、未経験の人材であっても(未経験だからこそ)面接等で以下のスキルやスタンスを厳しくチェックされます。

日系企業での実務経験と実績

成果主義の外資系企業では、専門スキルや資格よりも、実務経験を重視することが一般的となっています。実務経験年数としては3年以上がボーダーとなりますので注意しましょう。また、書類選考や面接において実務経験や実績をアピールすることが求められるため、自身のキャリアをじっくりと見直し整理しておきましょう。

体力的・精神的にタフであること

日系企業の業務と比較して外資系企業の業務は激務となることが多いため、体力的・精神的にタフであることが求められます。面接において体力的・精神的なタフさをアピールするエピソードを用意しておくと良いでしょう。

自主的に情報を収集し学習する姿勢があること

多くの外資系企業は、日系企業のように積極的に研修を行ったり人材育成を行ったりすることはないため、自主的に情報収集を行う姿勢や学習する姿勢が求められます。成果主義の色濃い外資系企業では、会社の求める成果にコミットできない人材は即解雇(リストラ)の対象となるため注意が必要です。

日常会話程度の英語力があること

外資系企業の日本法人であっても英語での文書作成やコミュニケーションを求められることは少なくないため、日常会話程度の英語力を身に付けておきましょう。具体的な指標として、TOEICスコア800点以上を目指しましょう。

専門資格を有していること

スキル・スタンスを客観的に証明する武器として、専門資格を取得することも視野に入れておきましょう。ただし、評価の対象となる資格とそうでない資格が存在するため、学習の前に外資系企業の求人票などを確認して、求められる資格をチェックしておきましょう。

なぜ外資系企業は未経験の人材を採用するのか?

最後に、なぜ外資系企業は未経験の人材を採用するのか、その理由をご紹介します。主な理由としては、以下の3つが挙げられます。

日系企業と比較して知名度が乏しく応募者の母数が少ないため

Apple、マッキンゼー・アンド・カンパニー、クライスラーなど、新聞やテレビなどで良く目にする著名な外資系企業も存在しますが、多くの外資系企業は日系企業と比較して知名度が乏しいという現状があります。よって、採用活動を行うにあたって日系企業や有名外資系企業のように、ネームバリューやブランドを活かして応募者を募ることが難しいため、未経験の人材にも応募の門戸を開いています。

採用のミスマッチを避けたいため

特に書類選考のフェーズにおいて、実務経験・実績・専門スキル・資格など、人材の即戦力さを示す項目ばかりを注視してしまうと、未経験であってもポテンシャルの高い人材を逃してしまうという結果に繋がりかねません。外資系企業は人材の採用をリスクと捉えるため、採用のミスマッチを防ぐことは極めて重要な課題となっています。

人材育成の制度を整備している外資系企業も存在するため

外資系企業には研修や人材育成の制度が全く整っていないとイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、外資系ホテル業界や営業職など、特定の業界・職種においては人材育成の制度が充実しています。また、企業によっては前職での業務スキルやスタンスに縛られない人材を好む場合もあるため、未経験の人材のポテンシャルを評価し、採用することもあります。

未経験から外資系企業への転職を成功させるには

企業情報から転職活動の進め方まで

外資系企業への転職経験がない場合、企業情報の調べ方から面接の進め方、条件交渉の仕方まですべてが手探りとなり非常に非効率です。未経験の受け入れ実績が多い企業や、今の英語レベルで通用する企業、今の社風と近い企業など外資系企業に関する情報を調べたり、職務経歴書の書き方、面接でのアピールポイント、条件交渉など転職活動に関するサポートを受けたいという方は、転職エージェントを活用しましょう。

外資系企業は、非公開求人の比率が多い

また、外資系企業の求人は条件の振れ幅が大きく非公開になっていることも多いため、ウェブサイトや検索だけで探していても目当ての求人にたどり着けないという事情もあるため、非公開求人を有する転職エージェントを活用することが重要になります。

外資系企業に強い転職エージェント

外資系企業に強いのは下記3社の転職エージェントです。非公開求人の問い合わせや、気になる企業の情報収集、希望の条件に合う企業の紹介などの用途で活用しましょう。

関連記事