業界別の外資系企業の最新動向

全体概況

日本国内の外資系企業雇用者数は56.3万人で、日本の労働人口全体のちょうど1%となります。外資系企業の雇用者数は、リーマンショックなどの世界的な危機のタイミングを除けば毎年5%~10%ほど増加しています。アベノミクス以降、景気が上向くにつれて外資系企業の新規参入や事業拡大が相次ぎ、外資系の求人増加とボーナスの上昇を背景に、再び外資系企業の人気が高まってきています。

金融業界の動向

2008年のリーマンショック直後は、さすがに大手の外資系金融も慌ただしい状況が続きましたが、今では株高による活発な売買を背景に、採用意欲・就業意欲ともに増加しています。 特に、アベノミクス以降はM&Aを検討している企業数が増加しており、潤沢な手元資金を有効に運用できるプロ人材の需要が高まっています。

保険業界の動向

アメリカンファミリー生命保険が郵便局と組んで窓口を開設するなど、外資系保険会社の動きが活発になってきています。ここ最近の株高で財務的にも潤ってきており、好調な業界の一つです。ただ、生命保険の契約高は減少傾向が続いており、成熟した環境下でどれだけ販売力を強化できるかが重要になってきています。たとえばプルデンシャル保険では、販売面ではトップセールス人材の確保と販売マニュアルの徹底を、商品面ではオーダーメイドの保険設計を行うことで業績を伸ばしています。

コンサルティング業界の動向

IDCの調査によるとビジネスコンサルティング市場は3000億弱で、グローバル展開や経営統合、事業再編などに伴う支援・アドバイザリーが増えています。米国に比べると、まだまだコンサルティングの活用度は低く、今後も成長が見込める業界です。マッキンゼーやボストンコンサルティングのような経営コンサル以外にも、ITコンサルティングのアクセンチュア、会計・税務コンサルティングのデロイトトーマツなど専門特化のコンサルティング会社もプレゼンスを高めており、企業の活用が進んでいます。

IT業界の動向

各業界の好調な動きを受けて、IT投資も活発になってきています。法人向けサービス領域では特に、ビッグデータの解析や販売、AWSをはじめとするクラウドサービスなどが伸長しています。また、スマホの普及により、スマホサイトやシステムの構築、アプリ・ゲーム開発の分野には著しい成長が見られます。

広告業界の動向

2012年の日本の純広告費は5.9兆円で、震災からの回復が見え始めてきています。インターネット広告費が初の1兆円越えとなり、インターネット分野の重要度がますます高まっています。ビッグデータを活用した効率的な広告やスマホデバイスとリアルとを結ぶO2O領域など、最新技術の活用とマーケティングシナリオを融合できる人材が外資系企業でも求められています。

ホテル業界の動向

2013年に訪日外国人旅行者数が初の1000万人を突破し、国内の宿泊者数にも増加が見られます。2010年までは東京に外資系ホテルが開業するケースが相次ぎ、東京ホテル戦争ともいわれましたが、2010年以降は地方でも外資系ホテルの開業が進み、ウェスティンホテル仙台、シェラトンホテル広島、ザ・リッツ・カールトン沖縄、インターコンチネンタルホテル大阪などが開業しています。地方の外資系ホテルに転職するという選択肢もありでしょう。

アパレル業界の動向

国内アパレル市場規模は、ここ数年縮小傾向にあり10兆円を下回る水準が続いています。高級層向けのラグジュアリブランドと大衆向けのファストファッションブランドの2極化が進んでおり、ラグジュアリブランドの領域ではブランド力の維持と認知上昇を目的としたマーケティング活動、ファストファッションの領域ではグローバルSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)によるサプライチェーンの刷新を通じてコストを切り詰めて利益率を向上させる動きが見られます。

化粧品業界の動向

2012年度の国内化粧品市場は2.3兆円で、世界有数の市場規模となっています。外資系メーカーも日本を重要拠点として位置付けており、プレステージブランド(高品質化粧品)や男性向け化粧品、時短アイテムなど伸びが期待される領域にも力を入れてきています。販売チャネルは全体の3割弱を占めるドラッグストアに続き、通信販売の分野も1割を超えて年々伸びてきており、ウェブマーケティング人材の重要度も高くなってきています。

医薬品・製薬業界の動向

市場規模が9兆円と推定されている巨大産業の医薬品業界では、研究開発にも莫大な費用と時間がかかるため、資金力と研究開発力を集積することが主流となっています。国内日経大手による業界再編の動きも活発化していますが、ファイザー、日本ベーリンガーインゲルハイム、日本イーライリリーなど外資系は、グローバルの研究開発ネットワークを活用した新薬開発を加速させるとともに、販売力を強化して主力商品の二けた成長を達成しています。

医療機器業界の動向

みずほ銀行の調査によると国内市場規模は2.3兆円で、うちカテーテル・注射器が5774億円、人工関節や人工心臓等の生体機能補助・代行機器が5,133 億円と2大市場になっています。企業別の売り上げを見てみると、外資であるテルモ、オリンパスがツートップで4000億円前後の売上高で、売上3位のニプロ(日系企業)を大きく引き離しています。高齢化による医療機関の増加で医療機器業界は今後も成長が見込まれる有望な業界の一つです。

製造業界の動向

国内の製造業に回復が見られるなか、外資系製造業にも同様に回復の兆しが見えてきています。ただ、アジアのなかでは人件費や法人税の高さから、統括拠点・製造拠点ともにシンガポールや香港に移転していくことが予想されます。今後、日本拠点に求められるのは、営業・販売・マーケティング拠点としての役割となってきますので、転職時には営業力の高さや高度なマーケティングスキルを押し出していくと有利です。

物流業界の動向

Amazonを筆頭とする通販の拡大や製造拠点のグローバル展開などを受けて、物流業界全体もマーケットが拡大しています。外資系物流企業には、原材料調達から原材料輸送、工場内物流、完成品倉庫、組立・梱包など国際的なサプライチェーンとワンストップソリューションが期待されています。

小売業界の動向

西友を買収したウォルマートは、マーケティングを日本人の消費者心理に合わせると同時に、固定費に関しては外資流で切り詰めることで利益率を高めていくなど、小売業の領域でも新しい取り組みが見られます。日本での展開を確立できた企業は採用を拡大していくことが予想されますので、個別企業の動向をチェックしていくとよいでしょう。

外資系企業の動向に詳しい転職エージェント

外資系企業は国内企業よりも速いスピードで変わっていきます。業界動向もつねに目を光らせておくべきですが、個人の力だけではなかなかカバーできないため、下記のような転職エージェントなどから定期的に情報収集をするのが一般的です。

転職エージェントに登録したからと言って、すぐに転職をする必要はありません。今の職場より条件の良い求人が出てくるまで待ちたい、転職しやすい時期まで定期的に情報収集をしたいなどの希望を伝えることで、より効率的に活用することが可能ですので、気軽に問い合わせをしてみると良いでしょう。