インド系企業で働く・求人を探す

2013年度の世界のGDPランキング10位・アジアのGDPランキング3位を誇るインドは、ここ数年で目覚ましい経済発展を遂げている新興国であり、特にIT事業(ソフトウェア開発)における国際競争力の高さには目を見張るものがあります。ここでは、インドの外資系企業の特徴や業界別の動向について解説しています。

インドの市場動向

インドの名目GDPは1兆8,706億ドル(2013年度)となっており、アジア諸国の中では第3位の経済規模であり、中国やロシアと共にBRICs(成長を続ける新興国)に数えられています。しかし、インド国民一人当たりのGDPは1,504ドルと世界平均の20%にも満たない水準となっており、1日2ドル以下で生活する貧困層は国民の約70%にあたる約8億1,000万人であり、世界最大の貧困人口を抱えるという側面を持っています。

インド経済の主な産業は、農業・繊維・自動車・バイオテクノロジー・エネルギー(石油)・ITサービスであり、特にITサービスの分野においては、情報技術やビジネスプロセスアウトソーシングといったビジネスが急速に成長しており、アメリカや日本など先進国のソフトウェアオフショア開発は国際競争力が極めて高い分野となっています。また、インドの主な貿易相手国は、アメリカ・中国・アラブ首長国連邦・ドイツ・イギリス・シンガポール・オーストラリアとなっています。

インドの外資系企業の特徴

インドの外資系企業には、日系企業や他国の企業には無い特徴が存在します。ここでは、インドの外資系企業の3つの特徴について解説していますので、外資系企業への転職活動における予備知識としてチェックしておきましょう。

IT事業(ソフトウェア開発)の国際競争力が高い

90年代から欧米諸国や日本のオフショア開発の拠点として重要な役割を担って来たインドには、システム開発・ソフトウェア開発の優れたノウハウが蓄積され、同時に多くの優秀なエンジニアを抱えることに成功しました。この結果、インドのIT事業は目覚ましい発展を遂げており、国際的に大きな注目を集める国際競争力の高い事業となっています。

エンジニア(技術者)の働きやすい環境が整っている

上述の通り、インドではIT事業が重要産業として位置づけられているため、インドのIT系企業にはエンジニア(技術者)の働きやすい環境が整えられていることが多いと言えます。

まず、年収や待遇といった雇用条件については、そもそもインド国内ではエンジニアをステータスの高い職業として位置づけていることもあり、日系企業よりも高い年収や良い待遇を受けることが可能です。次に、教育環境としては、エンジニアのトレーニング制度を利用したり、多くの優秀なエンジニアと共にプロジェクトを進める中で技術力を高めたりと、エンジニアとしてのスキルアップを実現しやすい環境が整えられています。

人材の流動性が高い一方で、プロセスの標準化が徹底されている

インド系企業の大きな特徴として、極めて人材の流動性が高い点が挙げられます。キャリアアップのために短期間で転職を繰り返すことはインド系企業においては珍しいことではなく、日常的に同僚・部下・上司が目まぐるしく変化します。人材の流動性が高いことへの懸念として、プロジェクトメンバーに急な欠員が出てしまい、プロジェクトの進捗が著しく悪化してしまうといったことが挙げられますが、インド系企業ではプロセスの標準化を徹底して行うことでこの課題をクリアしています。

プロセスの標準化とは、想定されるプロジェクトに対して役割と業務行程を明確に取り決めておく、つまり、人に寄らないプロセスの「型」を予め用意しておくことを指します。このプロセスの標準化を行うことで、急にプロジェクトメンバーの欠員や変更が起こったとしても、プロジェクトを滞りなく進捗させることができます。このアプローチはインド系企業特有のものであるため、高いレベルの品質管理やプロジェクトマネジメントを学びたいとお考えの方にとって、インド系企業は非常に魅力的であると言えます。

業界別に見るインドの外資系企業

ここでは、特に転職の人気が高い2つの業界におけるインドの外資系企業の動向と代表的なインド系企業について紹介しています。アメリカ系企業やヨーロッパ系企業と比較すると転職の門戸は極めて狭いため、積極的にインド系企業への転職を目指すことは難しいというのが実情です。

IT・通信・インターネット業界

インドのIT・通信・インターネット業界の動向

欧米諸国や日本のオフショア開発を担ってきたインドでは、IT事業(ソフトウェア開発)が国内の重要産業として位置づけられています。特に有名なインドのIT企業としては、通称「SWITCH」と呼ばれるIT企業6社(サティヤム・コンピュータ・サービス/ウィプロ/インフォシス リミテッド/タタ・コンサルタンシー・サービシズ/コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ/HCL)があり、日本市場における存在感は近年高まっています。

代表的なインド系IT企業の動向

1.タタ・コンサルタンシー・サービシズ

タタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services)は、インドマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を構え、世界50カ国にオフィスと10万名に届く社員数を持つインド国内IT系企業の最大手であり、インドのタタ・グループに属しています。主な事業領域としては、ITコンサルティング・ソフトウェア開発・インフラ管理におけるITサービスであり、AT&T・ボーイング・ブリティッシュエアウェイズ・IBM・マイクロソフトといった名だたる企業との取引実績があり、特にゼネラル・エレクトリック(GE)とは、売上の13.96%におよぶ大規模な取引相手となっています。また、日本市場への進出も精力的に行っており、タタコンサルタンシーサービシズジャパンを設置し事業を展開しています。

2.インフォシス リミテッド

インフォシスリミテッド(Infosys Limited)は、インドのカルナータカ州バンガロールに本社を置くインド国内大手のIT系企業であり、2011年6月にインフォシステクノロジーズリミテッドより、インフォシスリミテッドへ社名を変更しています。主な事業内容としては、ITコンサルティング・ビジネスコンサルティング・テクノロジーエンジニアリングおよびアウトソーシング・ソフトウェア開発となっており、品質管理に重点を置く戦略を取り、カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が規定するCMMIにおいて、最高水準となるレベル5に認定され、1999年にはインドの企業としては初の米NASDAQへの上場を果たしています。

また日本においては、インフォシス日本支店(日本法人ではない)を設置し1996年より日本向けの事業を開始しており、主な事業領域としては、グローバル企業のための大規模プロジェクトおよびエンタープライズ・リソース・プランニングなどのパッケージ・ソリューションを提供しています。また、2013年3月時点の社員数は約250人となっています。

3.ウィプロ

ウィプロ(Wipro Technologies Limited)は、インドカルナータカ州バンガロールに本社を置くITサービス企業であり、インドのIT業界において第2位の規模となっています。創業当初(1945年~)は、食料品・医薬品・家庭用品・電灯の製造を主要事業としていましたが、1980年代以降は世界35カ国に開発センターを置き、ソフトウェア開発・ITコンサルティング・アウトソージングなどを主要事業として展開しています。また日本においては、2008年にCTC(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)と包括提携を交わし事業を展開しています。

4.Genpact(ジェンパクト)

Genpact(ジェンパクト)は、インド・ハリヤーナー州グルガーオンに本社を置くIT企業であり、主要事業として様々な企業の間接業務をビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)として引き受けています。1995年にアメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE)の子会社であるGEキャピタルのサービスとして出発し、2007年にはニューヨーク証券取引所に上場、現在ではアメリカ・メキシコ・ドイツ・ハンガリーなどの17ヵ国に拠点を構え、従業員数は約5万3,000人となっています。日本においては、2005年にGenpact Japan支社を設立し、2011年には日系大手ITコンサルティング会社であるHead Strongを買収しGenpact Japan Service支社を設立しました。

代表的なインド系IT企業

タタ・コンサルタンシー・サービシズ、インフォシス リミテッド、ウィプロ、HCL、サティヤム・コンピュータ・サービス、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、K7Computing、Genpact(ジェンパクト)

自動車業界

インドの自動車業界の動向

国際自動車工業連合会が公開した、2012年度の国別自動車生産台数のデータによると、インドは世界第6位の自動車生産台数を誇っており、インドの自動車産業は活況を迎え国際的にも注目度の高い産業となっています。特に、タタ・モーターズは、イギリスのジャガー・ランドローバー、スペインのイスパノといった自動車メーカーを傘下に持つインド最大の自動車メーカーであり、特に国際競争力の高い自動車メーカーです。

代表的なインド系自動車メーカーの動向

1.タタ・モーターズ

タタ・モーターズ(Tata Motors Limited)は、インドのマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を置くインド最大の自動車メーカーであり、タタ・グループを構成する主要企業の1つです。インド・タイ・アルゼンチン・南アフリカに生産拠点を持ち、イギリスのジャガーおよびランドローバー、韓国のタタ大宇、スペインのタタ・イスパノなどを傘下としており、フィアット・カミンズ・マルコポーロなどの企業と合弁事業を行っています。また、商用車(バス・トラック)の分野においては世界第5位のシェア(インド国内においては60%のシェア)を誇り、乗用車の分野においては後発ながらインド国内第2位のシェアを誇ります。

2.マヒンドラ&マヒンドラ

マヒンドラ&マヒンドラ(Mahindra & Mahindra Limited)はインドの自動車メーカーであり、インドのコングロマリットの一つであるマヒンドラ・グループの中核企業の1つです。主な事業領域としては、多目的車・商用車・オート三輪車・トラクターが挙げられ、特にトラクター分野においては世界第4位の規模を誇ります。また、フランス・ルノー社との合弁会社の設立(2005年・現在は解消)や、韓国の双竜自動車を買収(2010年)するなど、積極的に海外進出を行っています。

3.ヒンドゥスタン・モーターズ

ヒンドゥスタン・モーターズ(Hindustan Motors Limited)は、インド・コルカタに本社を置く自動車メーカーであり、インドの財閥系企業であるG.P-C.Kビルラ・グループ(ビルラファミリー)に属しています。日本の三菱自動車工業と提携しインド国内で三菱車の販売を行ったり、いすゞ自動車からエンジンの供給を受けて搭載したりと、日系自動車メーカーとの関係性の深い企業です。

代表的なインド系自動車メーカー

タタ・モーターズ、マヒンドラ&マヒンドラ、ヒンドゥスタン・モーターズ、マルチ・スズキ・インディア、ヒーロー・モトコープ(オートバイ)、バジャージ・オート(オートバイ)、LML(オートバイ)、ロイヤルエンフィールド(オートバイ)

インド系企業に強い転職エージェント

インド系企業へ転職するにあたっては、求人情報はもちろんのこと、個別企業の経営スタイルや事業戦略、企業風土、人事評価制度、報酬体系など、事前の情報収集が非常に大事です。また、企業ごとの職務経歴書のポイントや面接通過のポイントなどの情報についても、事前におさえておきたいところです。一人で情報収集をするのは限界がありますので、外資系に強い下記転職エージェントを活用して情報を効率的に集めましょう。

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