外資系企業の給与はなぜ高いのか?

外資系企業の年収水準は、日系企業に比べて高いと言われますが、なぜ年収が高くなるのでしょうか?

ここでは、年収が高くなる代表的な理由と報酬体系などについて詳しく解説していきます。転職活動時に年収を検討する際の参考にしてください。

外資系の給与が高い5つの理由

1.ブランド力があるため、利益率が高い

外資系企業の多くは、日本に限らず様々な国や地域でグローバルにビジネスを拡大している会社です。市場にブランドイメージが醸成されていれば高い価格帯で商品やサービスを販売できるため、結果として高い利益率を実現することができます。日系企業でも大企業を始めとして、競合優位性の高い企業の給料は高水準となっていますが、同じことが外資系企業にも該当するという訳です。

また、ブランド力がある会社は企業体力もありますので、日系企業ではなかなか引き出せないような多額の研究開発費などを獲得することができることもあるため、他国に先駆けた研究・開発に取り組みたい研究職の方にも人気があります。

2.日本での認知度が低いため、報酬の高さでアピールしている

世界的には有名なブランドであっても、日本ではブランドが認知されていない外資系企業も多く、そういった企業が優秀な人材を確保するためには、年収や待遇面で日系企業を大きく上回る条件を提示しなければならないという状況もあります。

競争に打ち勝っていくために、優秀な人材を雇用することが出来るかどうかは極めて重要なポイントです。さらに、外資系企業の場合は即戦力となる人材が求められます。日本に参入してきた直後であればなおさらですが、外資系企業の多くには未経験者を採用して教育していく文化に馴染みが薄く、日系企業ほど教育体制も整っていません。

したがって、優秀かつ即戦力の方に自社を選んでもらう必要があるわけですが、そのなかでも給与が高いことは最も分かりやすい訴求ポイントになります。給与の額は、同業他社からヘッドハンティングして引き抜いてくる際にも効果のあるキラーワードとなります。優秀な人材の採用を決めたいとき、応募者に対してサイン・オン・ボーナスと言われる契約金のようなものを渡す外資系企業もあるほどです。

一方で、求職者の方にとって高給であることは非常に魅力的ではありますが、高い給与に見合う成果を出せなかったときや、自分のポジションに自分よりもっと優秀な人材の応募があった場合に解雇リスクが発生するということは、転職活動の際にはつねに念頭に置く必要があります。

3.実は、賞与の比率が高い

インド系企業などでは顕著ですが、外資系企業は固定費が高いことをリスクとしてとらえることが多く、給与ではなく賞与に重きをおいた年収構成になることが多くなっています。目安としては給与7:賞与3といったところですが、これは業界や職種によっても上下しますので、あくまで参考値としてとらえてください。

いずれにせよ、会社が儲けたら報酬を支払うというのは、実に成果主義的で外資系企業らしいと言えるでしょう。なお、日本人の多くは賞与よりも基本給に重きを置きがちですが、前述のとおり給与比率が高い人は、会社にとって定常的に利益率を低下させる要因となるリスクが高い存在として認識されてしまいますので、日系企業の感覚で給与水準の交渉をすることには慎重になったほうが良いでしょう。

4.社員数が少ないため

外資系企業が利益率を低下させる固定費を嫌うというのは社員の採用面でも大きく影響しており、できる限り少ない人数で効率的なビジネス展開を目指す方針につながっています。

したがって、日本企業では一般的なアシスタントやバックオフィスが外資系企業には少なく、入社後にその役割を一人でこなさなければいけないというシーンも多く存在します。人員を最低限に抑えようとするからこそ、社員一人ひとりに分配される利益が多くなるということも年収が高い理由の一つとなっています。

5.退職金・福利厚生がないため

外資系企業には退職金制度を導入しているところが少ないため、月々の給料は退職金を前取りしている分も含まれていると考えなければいけません。これは、そもそも外資系企業に「終身雇用」という日本的経営の考え方が無いためです。

よって、外資系企業に勤める場合は、老後の生活資金にあてるための貯蓄を個人で計画・管理する必要があります。外資系企業に勤めている方は、民間の保険会社などが提供している個人年金などの保険サービスを利用して、老後の資金計画を立てている人も多いようです。

また、日系企業では住宅手当などの福利厚生が豊富に用意されているケースがありますが、外資系企業では福利厚生を含めた金額として給与を支給しますので額面で見ると高く見える、という要素もあります。よって、生活に必要な経費を差し引いた後の可処分所得で比較する必要があります。

最近では日系企業でも福利厚生費は従来に比べて低くなってきている傾向にありますが、外資系企業と比較するとまだまだ手厚い状況にあると言えます。

外資系企業の報酬体系

次に、外資系企業の年収・給与体系についても細かく解説していきます。外資系企業の報酬体系は、主に「ベース」+「インセンティブ」の2つから構成されています。

「ベース」とは、いわゆる年俸のことです。年俸を規定した上で、その12分の1の額が毎月給与として支払われる形式を取ります。企業によっては、14分の1で除して、夏と冬の特定月に通常月の2倍を支給するボーナスのような方式を取っているところもあります。

年俸制のメリットは、毎年の交渉によって双方が納得できる水準を模索できる点です。成果主義の強い外資系企業では、年俸制がよく採用されています。また、外資系企業では「報酬をもらう人は、すべからくプロである」という意識が強いことも、年俸制が浸透している理由の一つとでしょう。

ちなみに、よく誤解されがちですが、年俸制の下であっても、みなし時間性が適用されない限りは時間外労働には残業代が支払われなくてはいけません。

「インセンティブ」とは、業績・成果に連動して支払われる賞与のことです。一定期間内の業績に対して目標設定を行い、その達成率の度合いによってインセンティブが算出されます。なお、事前に定めた目標は定量的に評価できるようにドキュメント化して保管しておく企業が多いようです。

なお、「インセンティブ」という形ではなく、より成果が顕著に判断できるように売り上げた額の一定比率を賞与として支払う形の「コミッション」制をとっている企業もあります。企業単位というより職務内容によって採り入れられることが多く、コミッション制が採用されている主な職務としては「営業職」が多いようです。

インセンティブにせよ、コミッションにせよ、業績や成果と給料が連動するため、社員のモチベーション向上に効果的な報酬体系と言えます。一方で、外資系企業の実情として、固定費(固定給)を嫌いリスクと捉える傾向が強く、給与の内訳として変動費(インセンティブやコミッション)の比率を高めておくことでリスクヘッジを図りたいという狙いも存在します。

高い報酬と、ドライな評価

統計などを洗っても、実際の求人情報などを調べても、外資系企業の報酬が日系企業よりも高いことは一般的な傾向としてありますが、一方で人事評価や給与査定も客観的に・ドライに厳しく受けることになる、という側面も強く認識しておくべきです。

実際に、今年度1000万円あった年俸が、翌年度600万円まで落ちた、というような話は決して珍しくありません。ちなみに、このように給料が著しく低下してしまった場合、次の年度で目標達成など高いパフォーマンスを残さないと、解雇もしくは退職マネジメントの対象になってしまいます。

統計から見ても、日系企業に比べて外資系企業の勤続年数は短くなっています。外資系企業には、日本の終身雇用制度を代表する「社員を守る」道徳的な考え方はなく、1人のビジネス・プロフェッショナルとして成果ありきの雇用契約を結んでいるという意識が強いため、プロとしてパフォーマンスしなければ去りなさい、という風潮が強くあります。高い報酬にばかり目が向きがちですが、その反面、プロフェッショナルとして短期的かつ継続的に会社にリターンを返さなければならないということも理解しておくことをおすすめします。

年収アップには転職エージェントを活用しよう

高給与の求人は非公開のケースが多い

年収が高い求人は、重要なポジションやプロジェクトメンバーの募集であることが多いため、非公開求人となることが少なくありません。現在どのような非公開求人があるかは、各転職エージェントに問い合わせてみる必要がありますので、下記サイトを参照してください。

給与や待遇などの条件交渉もしてくれる

上記の転職エージェントでは、非公開求人の紹介以外にも年収交渉などを行ってもらうことができます。自分から給与の話をするのは気が引ける、もっと良い条件を引き出したい、面倒な条件交渉は任せたいという方にとっても転職エージェントを利用する意義は十分にあります。

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