ドイツ系企業で働く・求人を探す

ヨーロッパのGDPランキング1位・世界のGDPランキング4位(共に2013年度)を誇るドイツは、ヨーロッパ各国を先導する経済大国であり、世界的にも有数の自動車産業や機械・電機産業を中心に、数多くのドイツ系企業が日本市場に参入しています。ここでは、ドイツの外資系企業の特徴や業界別の動向について解説しています。

ドイツのマーケット動向

ドイツは、GDPは3.37兆ドル、人口は8033万人のマーケットです。国面積がほぼ同じであるという点や勤勉できまじめな国民性など、日本と共通点も多く、欧州ではもっとも親近感を覚える国と言えるでしょう。主要産業は自動車、機械、化学・製薬、電子、食品、建設、光学、医療技術、環境技術、精密機械、主要な貿易相手国はフランス、米国、オランダ、英国、中国、オーストリア、イタリアなどとなっています。

ドイツは、過去にノーベル科学賞受賞者を数多く輩出しており、ドイツ製品は品質が高いと言われるなど、技術面においては国際的にもブランド力が非常に高い国です。また、ドイツは産業の発展と共に環境保護の面でも世界的な先進国となっており、2002年1月に施行された、環境にやさしくない素材のすべての容器包装廃棄物にデポジットを課す「デポジット制」などが有名です。

ドイツ国籍のグローバル企業も多く、投資銀行のドイツ銀行、ITソフトウェア会社のSAP、自動車ブランドのダイムラー、BMW、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)、アウディ、自動車関連メーカーのロバート・ボッシュ、化学大手のバイエル薬品、ベーリンガー・インゲルハイム、医療機器メーカーのシーメンス、日用品メーカーのヘンケル、スポーツ用品のアディダスなど、多くの分野でそれぞれ世界に名の知れた企業が存在します。

ドイツ系企業の特徴

ドイツ系企業には、主に以下のような特徴があります。

  • 契約主義で個人の職務内容が明確、ルールや規則が重視されグレーゾーンを極力作らない
  • 質実剛健、職人気質で仕事へのこだわりも強い
  • 自分の主張をはっきり口にすることが求められ、議論することが好まれる
  • 風通しが良く、フラットなコミュニケーションが可能
  • 勤務時間のなかで最大パフォーマンスを出すことが求められる
  • 結果だけでなくプロセスも重視される
  • 仕事と生活は切り離してプライベートを重視するため、休みなども取りやすい

契約主義で個人の職務内容が明確、ルールや規則が重視されグレーゾーンを極力作らない

ドイツ系企業では契約主義が一般的で、職務の範囲も細かく定められ、雇用条件などをしっかり明記した契約が交わされます。また、ルールや規則が非常に重視されており、オフィスも整然としています。曖昧性が極力排除され、グレーゾーンや例外ができるだけ少ない状態に保つことが好まれます。

質実剛健、職人気質で仕事へのこだわりも強い

ドイツには、「マイスター」という職人を意味する言葉があることで有名ですが、ドイツ系企業においても職人気質というものは引き継がれており、商品の品質やサービスのクオリティにこだわりぬくという姿勢や、無駄を嫌う質実剛健な姿勢が見られます。「ドイツ製自動車の品質は世界最高水準」などと言われるのも、このあたりが要因と言えるでしょう。

自分の主張をはっきり口にすることが求められ、議論することが好まれる

ドイツ系企業では、自分が考えていることを相手にはっきりと伝えることが一般的です。そのため、上司からみんなの前で叱責されたり、批判されたりすることもありますが、それを後に引きずることは多くありません。また、ドイツは弁証法の考案者であるヘーゲルが生まれた国でもあり、議論好きな国民性が知られています。ドイツ系企業では、仕事の中で気にかかることを流してしまわずに、その場で活発に議論をしてお互いが納得できるところまで話し合うという習慣があります。

風通しが良くフラットなコミュニケーションが可能

上述の議論を好むということにも関連しますが、ドイツ系企業には、役職や年齢に関係なくフラットなコミュニケーションを図ることができる環境が整えられており、社内の風通しの良さに惹かれて転職を希望する方も少なくありません。端的な例として、ドイツ系企業には日系企業のようなマニュアルや慣例といった概念があまり無く、課題などが発生した際に年齢・性別・役職に関係なくメンバーの意見を広く求めて合意形成を図る文化が存在します。

勤務時間のなかで最大パフォーマンスを出すことが求められる

ドイツ系企業では、だらだらと働くことは許されません。前述の職人気質に近いものがありますが、限られた勤務時間のなかでいかに最高のパフォーマンスが出せるかということが重視されます。業務中は集中力を高めて、1分1秒でも効率化を目指す姿勢が求められます。

結果だけでなくプロセスも重視される

業務効率にはかなり高いコミットが求められますが、職人を育て上げてきた国であるドイツでは、人材育成や成果を長期的な視点でとらえる企業が多く、日系企業からの初めて転職される方にはおすすめです。短期的な成果偏重の傾向が多い外資系企業のなかでは、比較的プロセスが重視されているため、日系企業とのギャップを感じることが少なくて済みます。

仕事と生活は切り離してプライベートを重視するため、休みなども取りやすい

ドイツ系企業では、プライベートを非常に重視する傾向が強いため、仕事と生活も明確に切り離されています。たとえば、業務終了後に同僚と飲みに行ったり、休日に同僚を招いて何かを一緒にしたりするといったことは少なく、家族で過ごす時間や趣味に費やす時間などが大切にされています。

また、ドイツ系企業の多くで年2回・2週間から3週間程度の長期休暇(バカンス)を取得することができるなど、長期休暇や有給休暇を取得しやすい制度と環境が整えられています。高い年収やキャリアアップのスピードだけではなく、日系企業では得ることが難しい、休暇の環境に焦点を当てるのも良いでしょう。

ドイツ系企業に強い転職エージェント

ドイツ系企業へ転職するにあたっては、求人情報はもちろんのこと、個別企業の経営スタイルや資本状況、事業戦略、企業風土、人事評価制度、報酬体系など、事前の情報収集が非常に大事です。また、企業ごとの職務経歴書のポイントや面接通過のポイントなどの情報についても、事前におさえておきたいところです。一人で情報収集をするのは限界がありますので、外資系に強い下記転職エージェントを活用して情報を効率的に集めましょう。

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代表的なドイツ系企業

日本の外資系企業に占めるドイツ系企業の割合はアメリカ・フランスに次いで高い水準となっています。ここでは、そのなかでも有名な企業について紹介します。

生命保険・損害保険の代表的なドイツ系企業

  • アリアンツ(アリアンツ生命保険、アリアンツ火災海上保険)

投資銀行の代表的なドイツ系企業

  • ドイツ銀行
  • コメルツ銀行

外資系コンサルティングファームの代表的ドイツ系企業

  • アイ・エム・エス・ジャパン
  • ローランド・ベルガー

外資系ITの代表的なドイツ系企業

  • SAPジャパン

外資系製薬会社の代表的なドイツ系企業

  • バイエル薬品
  • 日本ベーリンガー・インゲルハイム

外資系機械・電機メーカーの代表的なドイツ系企業

  • シーメンス・ジャパン
  • ブラウン(P&G子会社)
  • ミーレ
  • リープヘル
  • オスラム(シーメンスグループ)
  • グルンディッヒ
  • ケルヒャー

外資系医療機器メーカーの代表的なドイツ系企業

  • カールツァイスメディテック
  • ドレーゲル・メディカルジャパン
  • バイオトロニックジャパン
  • フレゼニウス メディカル ケア ジャパン

外資系日用品メーカー/食品メーカーの代表的なドイツ系企業

  • ヘンケル

自動車メーカーの代表的なドイツ系企業

  • メルセデス・ベンツ
  • BMW
  • フォルクスワーゲン
  • アウディ
  • ダイムラー
  • ポルシェ
  • オペル
  • マン

自動車部品メーカーの代表的なドイツ系企業

  • ロバート・ボッシュ
  • ZF
  • コンチネンタル
  • レカロ

外資系スポーツ用品)

  • アディダス・ジャパン
  • プーマ・ジャパン

外資系高級アパレルメーカーの代表的なドイツ系企業

  • エスカーダ
  • ヒューゴ・ボス
  • ジル・サンダー
  • ウィンザー

ドイツ系企業の業界別動向・特色

金融業界のドイツ系企業

国内の保険会社で知名度があるドイツ系企業は、アリアンツ生命保険とアリアンツ火災海上保険です。アリアンツ・グループは1890年に設立され、2012年時で79兆6800億円の総資産を誇る世界的な金融グループです。世界70か国以上に7800万人以上の顧客に対して生命保険・生命保険、銀行業務を提供しています。その中で、日本において生命保険業務を担っているのがアリアンツ生命保険株式会社で、2006年に設立され、2008年より営業を開始しています。一方、アリアンツ火災海上保険株式会社は1990年に設立されて以来、日本においての損害保険事業を展開しています。

投資銀行業界のドイツ系企業

国内の投資銀行で有名なのはドイツ銀行です。ドイツ銀行は、フランクフルトに本社を置き、世界に8万人近くの従業員を持つドイツ国内最大の銀行です。株式をニューヨーク証券取引所とフランクフルト証券取引所に上場しており、ドイツ株価指数 (DAX) の採用銘柄でもあります。日本市場への進出は1872年と古く、ドイツ銀行グループとして、ドイツ銀行・ドイツ証券・ドイチェアセットマネジメント・DB信託の4法人体制となっています。特に、証券・投資銀行業務を担うドイツ証券が中核となっており、マーケットサイドの業務に比較的強みを持っており、調査業務や債券等業務において一定以上のプレゼンスを日本国内でも持っています。

コンサルティングファーム

ドイツ系のコンサルティングファームとしては、戦略系コンサルティングファームのローランド・ベルガーと医療系コンサルティングファームのアイ・エム・エス・ジャパンの二社が有名です。ローランド・ベルガーはミュンヘンを本拠として、世界36か国に展開しており、2700名のコンサルタントを有しています。経営戦略のコンサルティングファームとしては、ヨーロッパ最大の規模で、製造業、エネルギー、医療、金融、ITなど幅広い分野に顧客を持ち、全社戦略やブランドマーケティング戦略を手掛けています。また、ドイツを出自としているため、アメリカの企業と違い、短期的な価値向上よりも長期的な成長を重視する点が特徴的です。

一方、アイ・エム・エスは1954年に創業した会社で、世界中の医療業界に情報、テクノロジー、情報サービスという3つを軸としてサービスを提供してきました。展開する国は100か国以上にも上り、業界のリーディングカンパニーとして知られています。アイ・エム・エス・ジャパンは、IMS Healthの日本法人として1964年に設立され、日本のステークホルダーにとってかけがえのないパートナーとなっています。

IT業界のドイツ系企業

ドイツ国籍のIT企業としては、SAPジャパンが有名です。SAPジャパンは、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社であるSAPの日本支社で、1972年に設立されました。ERPソフトウェアSAPが主力であり、日本はもちろん世界規模で圧倒的なシェアを誇ります。元々SAP社のERP製品の導入は大企業向けで大規模なプロジェクトになっていました。しかし近年、事業拡大を目的として中小企業向けのサービスも提供しています。

製薬業界のドイツ系企業

製薬業界で有名なのは、バイエル薬品と日本ベーリンガー・インゲルハイムの二社です。日本ベーリンガー・インゲルハイムは、株式を公開していない製薬会社としては世界最大の規模を誇ります。1885年に創業し、長期的な目線を持って着実に成長してきました。バイオ医療分野で、革新的で技術に優れた大手企業として地位を確立し、現在では、国際的に展開してきた結果、世界の中でも20番以内に入る製薬会社となっています。医療用医薬品を中心として、一般用医薬品や動物用医薬品などにも展開しています。

一方のバイエル薬品は、1863年に創業し、レバークーゼンに本拠を構えて、医療用医薬品やヘルスケア製品をはじめとする分野にて製品の提供を行う化学工業・製薬会社です。最初の主要製品として、解熱鎮痛薬のアスピリンが挙げられます。100%出資会社として、バイエル薬品株式会社、バイエル クロップサイエンス株式会社などを設立し、事業を展開しています。なお、ブンデスリーガのバイエル・レバークーゼンのメーンスポンサーを担当していることでも知られています。

医療機器業界のドイツ系企業

ドイツには、電子機器・通信・電力・交通・医療機器など幅広い分野で圧倒的なシェアを誇るシーメンスを筆頭に、電機シェーバー(髭剃り)で著名なブラウンや高圧洗浄機で著名なケルヒャーなど、世界でも有数の機械メーカー・電機メーカーが多数存在します。日本法人に対しては販路拡大・販売促進の役割を強く求めるため、日系機械メーカーや電機メーカーでエンジニアとして活躍した人材をセールスエンジニアとして積極的に採用しています。個別企業の動向については、以下にシーメンスとミーレを取り上げています。

シーメンスは、ドイツのバイエルン州ミュンヘンに本社を置く多国籍企業であり、2006年時の連結売上高は873億ユーロ(約14兆円)、連結純利益は303億ユーロ(約5000億円)を誇ります。シーメンスは元々、電信・電車・電子機器の製造会社から発展した電機メーカーであり、現在では情報通信・電力・交通・医療・防衛・生産設備・家電製品等の幅広い分野の製造を行っており、加えてシステム・ソリューション事業も手がけるコングロマリットとなっています。日本市場においては、1979年4月に「シーメンス・ジャパン株式会社」を設立し、医療機器の輸入販売・修理・保守・リースおよび、電気・電子機器の輸入・販売・保守を行っています。

ミーレは、ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州ギュータスローに本社を置く、電気機器・家電製品メーカーであり、特に洗濯機・食器洗い機・オーブン・冷凍冷蔵庫・掃除機・電気コンロ・コーヒーメーカーなどを中心に生産・販売を行っています。日本では、1992年9月にドイツミーレ社100%出資の「ミーレ・ジャパン株式会社」を設立し、輸入・販売を行っています。

医療機器業界のドイツ系企業

ドイツ系の医療機器メーカーとしては、カールツァイス・メディテック、ドレーゲル・メディカル・ジャパン、バイオトロニック・ジャパン、フレゼニウス・メディカル・ケア・ジャパンの4社があります。

カールツァイスメディテックでは、世界中にあるネットワークを通して、眼科や耳鼻咽喉科、神経外科の事業者に対して製品を提供しています。中でも眼科の分野に注力しており、白内障や緑内障など眼疾患の診断と治療に関してのプロダクトを提供しています。

ドレーゲル社は、医療の分野におけるグローバルリーダーとして、1889年の設立以来成長を続け、世界190カ国に1万人以上の従業員を抱え、40か国以上で販売・サービスを提供しています。ドレーゲル・メディカルでは、麻酔ワークステーション、集中治療用人工呼吸器をはじめとする医療機器を幅広く手掛けています。日本においては1983年に法人を設立し、ドレーゲル社の製品の輸入・販売を行なっています。

バイオトロニック・ジャパンは、ペースメーカーで有名な医療機器メーカーであるバイオトロニックの日本法人です。2003年に設立され、2005年より販売を開始しました。バイオトロニックジャパンでは、主にペースメーカーや植込み型除細動器などの製造・販売及びマーケティング活動を行なっています。ヨーロッパ企業特有の革新的なテクノロジー、顧客ニーズに対応するスピード感が特徴です。

フレゼニウス・メディカル・ケア・グループは本社のあるドイツを中心として世界100カ国以上で、末期腎不全の患者に対してその治療を支えるサービスを提供しています。透析施設は3000近くあり、従業員は7万人以上にも及びます。その日本法人がフレゼニウス・メディカル・ケア・ジャパンで、日本において人工透析用のダイアライザーや腹膜透析液バッグなどの開発・製造を行なっています。

日用品業界のドイツ系企業

国内のドイツ系の日用品メーカーとしては、ヘンケルが有名です。ヘンケルは、1876年に設立されたデュッセルドルフに本社を構える会社で、家庭用洗剤を製造する部署、シャンプーや口腔ケア用品を製造する部署、個人や工場向けの製造をする部署の3つを抱えています。ヨーロッパとアメリカを中心として世界5大陸の125か国に5万人近くの従業員がいますが、各国・地域の現地法人のマネジメントは現地の人材に一任する経営スタイルを採用しています。日本市場のトレンドや日本メーカーとの連携を、新興国や欧州に活かすことを想定しています。

自動車業界のドイツ系企業

国内のドイツ系自動車メーカーとしては、ダイムラー、BMW、ポルシェ、フォルクスワーゲン、アウディなどが有名です。ドイツ製の自動車は国際的に評価が高く、非常に強いブランド力を持っています。業界勢力としては、メルセデス・ベンツで有名なダイムラー、国内ドイツ系自動車メーカーとして草分け的な存在のBMWジャパン、フォルクスワーゲンやアウディを子会社として抱えるポルシェというかたちで存在しています。

また、ドイツ系自動車メーカーは、ダイムラーを始めトラックの生産・販売に強みを持っており、トラックの販売台数は世界最大手となっています。ドイツ系自動車メーカーの日本法人では、主に自社製品の販売に従事する人材を強く採用しており、日系自動車メーカーやディーラーで実務経験を積んだ営業・セールスエンジニアを中心に人気が高い転職先となっています。

個別企業の動向としては、以下にダイムラー、フォルクスワーゲン、BMW、ポルシェを取り上げています。

ダイムラーは、乗用車及び商用車の世界的メーカーであり、2006年の生産台数は204万台で世界13位となっています。また、トラックの販売では世界最大手であり、日本の三菱ふそうトラック・バスを傘下に持っています。ダイムラーの日本法人は、ダイムラー日本株式会社(ダイムラーJ)及びメルセデス・ベンツ日本株式会社(MBJ)の2つとなっています。

フォルクスワーゲンは1937年に設立されたドイツ大手の自動車メーカーであり、著名なブランドとして、ザ・ビートル、ゴルフ、ポロ、シロッコなどを持っています。日本市場においては、1983年にフォルクスワーゲン株式会社(現:フォルクスワーゲンアウディ日本株式会社)を設立し、系列の販売店の運営を行っています。また、フォルクスワーゲンは日本に生産拠点(工場)を持ったことはなく、あくまで日本法人を販売拠点としてのみ位置づけています。

BMW(ビーエムダブリュー)は、ドイツのバイエルン州ミュンヘンを拠点とする自動車・バイク・エンジンのメーカーです。BMWは、英国のロールス・ロイスとMINIの2社を傘下のカー・ブランドとして所有しており、加えてBMW Motorradを子会社として所有しています。日本市場においては、1981年にドイツBMW社の完全子会社として「ビー・エム・ダブリュー株式会社(通称:BMWジャパン)」を設立し、日本におけるBMWの輸入・販売を行っています。

ポルシェは、ドイツ南西部のシュトゥットガルトに本社を置くドイツの自動車メーカーであり、特に、高級スポーツカーとレーシングカーの開発力・生産力が高いことで著名です。日本では、1952年~1997年までミツワ自動車が輸入総代理店として輸入・販売を行っていましたが、以降はドイツポルシェ社100%出資の「ポルシェジャパン株式会社」が輸入・販売を行っています。また日本はアメリカに次ぐマーケットとして位置付けられており、積極的な販路拡大を行っています。

自動車関連業界のドイツ系企業

自動車機器を取り扱っているドイツ系企業としては、ロバート・ボッシュが挙げられます。ロバート・ボッシュは、1886年の創業以来成長を続け、現在では業界において世界最大規模のシェアを誇る電動工具を取り扱うメーカーです。自動車機器、産業機器、建築関連機器の生産・販売とメインの事業として日本を含むアジアにも進出しています。日本では、特に関東に多くの拠点を構えています。また、日本はアジアにおいてに戦略的拠点となっています。

スポーツ用品業界のドイツ系企業

国内ドイツ系企業のスポーツ用品を扱う企業としては、アディダス・ジャパンとプーマ・ジャパンの2社が有名です。

アディダスは1949年に設立され、バイエルン州に本社を置くスポーツ用品メーカーで、テニスシューズのスタン・スミスやバスケットボールシューズのスーパースターなどのブランドが著名です。日本においての事業活動としては、かつては販売代理店として兼松スポーツ等が請け負っていましたが、1998年には直営の法人が設立されました。日本では、1998年に直営の日本法人である「アディダスジャパン株式会社」が設立され、アディダス・リーボック・ロックポートブランド製品の販売を行っています。スポンサー契約を交わす主な団体として、サッカー日本代表、読売ジャイアンツ、サントリーサンゴリアスなどが挙げられます。

プーマ(Puma SE)は、1948年に設立された、ドイツ・バイエルン州ミッテルフランケン・ヘルツォーゲンアウラハを本拠地とするスポーツ用品の製造・販売を行う多国籍企業であり、現在はフランスの大手グループであるケリング(旧PPR)の傘下となっています。日本では、「プーマ ジャパン株式会社」および「プーマアパレル ジャパン株式会社」にてプーマ製品の販売を行っています。

アパレル業界のドイツ系企業

アパレル業界と言えばフランス系企業に目が向きがちですが、エスカーダやヒューゴ・ボスなどドイツにも国際競争力の高いアパレルブランド(メーカー)が多数存在します。アパレル業界では、何年もかけてブランドを育成していく必要があるため、長期的な成果を視野に入れて経営判断をしていくドイツ系企業の特徴にあった業界と言えるでしょう。

ドイツ系企業の良い点

  • 仕事の範囲や内容が明確で分かりやすい
  • 専門性を高めることができる
  • ハイクオリティを追求する職場で仕事ができる
  • 議論する力が身に付く
  • 緩やかな成果主義を採るため、雇用リスクが低い
  • 仕事と生活を切り分けて、プライベートの充実を図ることができる

仕事の範囲や内容が明確で分かりやすい

ドイツ系企業では、雇用契約の段階で仕事の範囲や内容、雇用条件などが明確に定められるため、他の雑務や職務範囲外の仕事に煩わされることがないという点は、仕事の進めやすさの面からはメリットとなります。

専門性を高めることができる

職務範囲が明確なため、受け持つ仕事には専門性が求められます。業務をこなすなかで専門性を高めることができるため、経理や法務などその道のプロとしてスキルや専門性を極めたいというキャリアパスが明確な場合は、非常に適した職場となります。

ハイクオリティを追求する職場で仕事ができる

職人気質が強く仕事のクオリティにこだわりぬくドイツ系企業では、妥協しない仕事のスタンスが求められます。したがって、自らの携わる仕事の質を限界まで高めることを目指して、トップクラスのクオリティを追求する職場に身を置くことができます。

議論する力が身に付く

ドイツは議論を好む国として世界に知られていますが、ドイツ系企業においても議論というものが重視されています。ドイツ系企業で働いていれば、否応なしに議論をする力が身につきます。

緩やかな成果主義を採るため雇用リスクが低い

ドイツ系企業には比較的長期的な視野で成果を判断する企業が多いため、日系企業から初めて外資系企業に転職する方には働きやすい環境が整っていると言えます。また、成果だけでなくプロセスも重視されることが多いため、外資系企業のなかでは比較的雇用リスクも低いというメリットもあります。

仕事と生活を切り分けて、プライベートの充実を図ることができる

ドイツ系企業は、他の国籍企業と比べても仕事と生活を切り離すスタンスが顕著です。日本ではよくある仕事のあとに同僚と飲み行くといった行為は一般的ではありませんし、休日に同僚同士で集まるといったこともほとんどありません。仕事と生活の間に明確な線引きがされているため、プライベートを重視したいという方には働きやすい職場です。

ドイツ系企業の悪い点

  • 若いからといって、特別扱いはしてもらえない
  • 意見をはっきり言い合うため、他の社員の前で批判されたり叱られることも
  • 職務分掌が明確なため、同僚や部下に助けてもらうことが難しい
  • プライベートな付き合いがないため、ドライな人間関係と感じるケースもある
  • 英語が分からないと、仕事にならない

若いからといって、特別扱いはしてもらえない

仕事に高い専門性が求められるドイツ系企業では、社員を一人前のプロフェッショナルとして扱います。たとえ社会人経験や業界経験が少なかろうと、それを理由に特別扱いを受けることはできないため、第二新卒あたりで外資系を志す場合には注意が必要です。

意見をはっきり言い合うため、他の社員の前で批判されたり叱られることも

意見をはっきりと言い合い、考えていることを伝え合う文化があるドイツ系企業では、叱責や批判といったことについても、公然と行われることが多く、面と向かって批判されることに慣れていたり心構えができていなかったりすると、ショックを受けてしまうことがあります。その場ではきついことを言い合いますが、翌日には何事もなかったかのように振る舞うことが多く、過度に気にし過ぎず、後に引きずらないことが大切です。

職務分掌が明確なため、同僚や部下に助けてもらうことが難しい

ドイツ系企業は、入社時に自分の仕事範囲が明確に定められることが多いのですが、それにより「自分の仕事は自分でこなすのが当然」ということとなり、どんなに忙しくても基本的には周りをあてにせず自分の力で解決することが求められます。

プライベートな付き合いがないため、ドライな人間関係と感じるケースもある

仕事の同僚とプライベートでも友人のように付き合いたいという方にとって、仕事と生活を明確に切り離すドイツ系企業の職場は、やや居心地が悪いものとなります。ドイツ系企業に転職をする場合、友人は仕事外で趣味やプライベートなコミュニティ内で作るほうが良いでしょう。

英語が分からないと、仕事にならない

ドイツ系企業の多くでは、社内公用語が英語となっていますので、文書・メール・電話などビジネスのさまざまなシーンで英語が使用されます。日本に支社を持つドイツ系企業のほとんどがグローバル企業なので、社内の人間がドイツ人以外であることも多く、ドイツ語ではなく英語が公用語となっています。

したがって、英語はベーシックスキルとして期待されますが、語学は追い込まれたときのほうが身に付きやすいということもありますので、英語を身につけるチャンスでもあります。

ドイツ系企業に必要な英語力

社内公用語に英語を採用しているドイツ系企業では、以下のような水準が求められます。

  • 一線で活躍したければ、TOEIC800点以上は必須
  • 目の前の相手に自分の考えを英語で伝えることができる
  • 英語のメールや文書が読める、書ける
  • 電話相手の英語を聞き取ることができる
  • 会議で自分の意見を発言できる
  • 敬意を示す英語を使うことができる

目安はTOEIC800点以上

社内公用語が英語のドイツ系企業で活躍したければ、TOEIC730点~860点は必要なレベルとなります。TOEIC800点以上を応募要項に指定している企業も少なくありませんので、転職活動を始める前にTOEICで良い点数を取っておくのが無難です。

目の前の相手に自分の考えを英語で伝えることができる

ドイツ系企業でコミュニケーションする場合、意見をはっきりとで伝えることが期待されていますので、自分の考えや気持ちをしっかりと言葉にして伝える必要があります。その際、単語をつなぎあわせただけのブロークンイングリッシュでも構いません。私たち日本人も、日本語を話す際にいつも主語・述語や文法を意識しているわけではないのと同様、日常の会話で「きれいな英語」は求められていません。

また、会話の相手も日本人にネイティブレベルの英語は求めていませんので、つたない英語で話していても、しっかりと聞いてくれることが多いのです。これも、日本人が外国人相手に「きれいな日本語」を期待せず、また外国人の話した日本語をしっかりと聞き取ろうと努めるシーンを思い浮かべればわかりやすいでしょう。

英語のメールや文書が読める、書ける

社内公用語が英語のドイツ系企業では、メールや文書が英語であることが普通です。したがって、多くの連絡や通達が英語でなされますので、メールや文書に書いてある意味を理解できることは必要です。また、外国人上司とのやり取りなど返信が必要なメールについては英語を使う必要があります。

メールの内容自体は簡潔で構いませんが、ある程度フォーマルな言い回しを覚えておくと良いでしょう。日系企業においてもビジネスのシーンでメールを使う場合、会話のような気安さで上司やクライアントとのメールのやり取りをすることがないのと同様、相手が読んで不快にならない程度の英語力は必須と言えます。

電話相手の英語を聞き取ることができる

ドイツ系企業に限らず、外資系企業では上司や顧客が外国人ということも少なくありません。その際、地理的な要因から電話会議を行うことがありますが、電話で通話する場合、音がこもって通常の会話よりも発音が聞き取りにくくなります。

電話で相手から大切なことを伝えられることも少なくありませんので、電話で相手の言っている内容を聞き取ることができる英語力は身につけておきたいところです。なお、ヒアリングにやや不安がある方は、単語の5割程度を聞き取ることができれば大体の内容は把握できるといわれていますので、ビジネスで使われる単語を覚えておくと良いでしょう。

会議で自分の意見を発言できる

これは、英語力というより「会議力」というイメージですが、会議に参加する際は自分に期待される役割を理解したうえで、発言することが求められます。特にドイツ系企業では議論が重視されていますので、仕事を円滑に進めるためにも会議力は必須です。会議の場でやり取りされる内容と、その場の議論の流れを把握したうえで、最も自分を印象付けられるように発言をしていきましょう。

敬意を示す英語を使うことができる

英語のコミュニケーションでは、同等の立場からお互いに言いたいことをはっきりと言い合うというイメージが強いかもしれませんが、トップ層に近づくほど相手に配慮した話し方が求められるようになります。

自分の発言で相手が傷つかないように遠回しに内容を伝えたり、相手の心情を汲んだ言い回し(たとえば、指示内容を命令口調ではなくお願いにする等)を用いたりするなど、マネジメント層を目指す方はコミュニケーション相手を気遣った英語を身につけることが大切です。

ドイツ系企業に転職するには

ドイツ系企業は、アメリカ・フランスに次いで国内の企業数が多い国ですので、業界業種ともに比較的バリエーションがあります。ただ、ドイツ系企業は国際的にブランド力が高い企業も多いため、決して競争倍率が低いわけではありません。ドイツ系企業に「ぜひあなたに来てほしい」と言ってもらえるように、実務の場で求められる専門性や高度なスキルを保有しておきたいところです。

また、グローバルでは非常に認知度が高いものの、日本ではまだ知名度が低いという企業に対して狙い撃ちで転職活動を行うのも非常に有効です。すでに日本での体制ができあがっている大手に行くよりも、まさにこれからというフェーズの企業のほうが存在感を示しやすく、ビジネスが成功したときにより高い報酬や出世を期待することができます。

ドイツ系企業はこんな方におすすめ

ドイツ系企業には、個人主義、実力・成果主義、英語力、明確な職務内容、ワークライフバランスなどの点に特徴がありますので、以下のような方におすすめの転職先となります。

  • 若いうちから責任ある仕事がしたい
  • 自分のペースで仕事を進めたい
  • 今の専門性を高めて、その道でキャリアアップをしていきたい
  • 世界に通用する英語力や議論力を身につけたい
  • 仕事はもちろん、プライベートも充実させたい

若いうちから責任ある仕事がしたい

ドイツ系企業では、専門性やスキルがあれば、年齢や性別に関係なくどんどん仕事を任せてもらえるため、若い内から責任ある仕事がしたい、大きなプロジェクトに携わりたいという方におすすめです。

自分のペースで仕事を進めたい

ドイツ系企業では、職務分掌が明確なので自分の仕事の範囲も明確に定められています。そのため、周囲の環境や煩わしい事柄に左右されず、仕事をきっちりコントロールしてマイペースに進めていきたいと考えている方には最適な職場です。

今の専門性を高めて、その道でキャリアアップをしていきたい

職務分掌が明確なドイツ系企業では、ジェネラリストよりもスペシャリストが好まれることが多く、専門性を高めてその道のプロになりたいという方や将来のキャリアプランが決まっているという方にとってはおすすめとなります。

世界に通用する英語力を身につけたい

ドイツ系企業の多くは、社内公用語が英語です。ドイツ系企業で働くと、否応なしに英語を話して読み書きする環境に置かれることになりますので、英語を身につけたい、英語力を高めたい、と考えている方におすすめです。また、日常の場で議論が好まれますので、ビジネスにおける議論の力を身につけるのにも最適な職場です。

仕事はもちろん、プライベートも充実させたい

ドイツ系企業において、生活は仕事から切り離すべきものと考えられていますので、趣味を充実させたり家族との時間を大切にしたりするなど、プライベートもしっかり充実させて仕事一色ではない人間味のある生活を送りたいと考えている方に向いています。

ドイツ系企業の年収水準

ドイツ系企業は、ブランド力があるため高利益率な企業も多く、日系企業だけでなく他の国籍の企業と比べても年収ベースが高いと言われています。具体的には、20代後半で700万円~1200万円、30代で1000万円~1500万円程度を目指すことができます。

さらに、投資銀行のドイツ銀行やコンサルティングファームのローランドベルガーなど、業界的に利益率が高い企業に転職できれば、20代で1000万円を超えるケースも珍しくはありません。提示される年収は、人材要件と年収テーブルに基づいて決められるというよりは、その時々で必要な人材を時価で調達するというマーケット方式で定められることが多いため、業界の動向と企業の戦略、企業内で需要が高まっているポジションなどを見極めて、自分にとって最も好条件な求人を探し出してベストなタイミングで応募するという流れをイメージしておきましょう。

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転職にあたっては、ドイツ系企業全体の特色だけでなく個別企業の特徴もおさえて準備や対策を進めていく必要があります。

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