アメリカ系企業で働く・求人を探す

アメリカの外資系企業には世界的に著名な企業が多く、2012年度GDPランキング世界1位のアメリカを支える資本力の高い企業が名を連ねており、アメリカの外資系企業への転職ニーズと企業の採用ニーズは共に安定的に高い状態にあります。

ここでは、アメリカの外資系企業の特徴や業界別の動向について詳しく解説していますので、転職活動における基本情報としてチェックしておきましょう。

アメリカのマーケット動向

アメリカは、GDPは15兆6850億ドル、人口は3億を超える世界一のマーケットです。主要産業は工業全般、農林業、金融・保険・不動産・サービス業で、主要な貿易相手国は、隣国のカナダ・メキシコ、アジアでは中国、日本、ヨーロッパではイギリス、ドイツなどとなっています。

アメリカにはビッグビジネスのイメージがありますが、実は中小企業の割合が99.9%と日本の中小企業の割合よりも高くなっており、中小企業数は日本の約4倍以上です。中小企業の開業率・廃業率は日本よりも3倍前後高く、国全体で起業家精神やトライアルアンドエラーの姿勢が感じられます。

また、アメリカ発のグローバル企業数も多く、常に世界の動向を見ながら敏感にビジネスが動いています。IT、バイオ、製薬、クリーン技術など最先端の技術やサービスを扱ったビジネスを得意としています。

アメリカ企業の特徴

アメリカ系企業には、主に以下のような特徴があります。

  • チャレンジが推奨されており、成功なら高い報酬が支払われ、失敗であっても前向きに評価される
  • 契約主義で、契約が非常に重視される
  • 成果主義/業績評価で、短期的に成果を上げる必要がある
  • 即戦力が求められ、ジェネラリストよりもスペシャリストが好まれる。
  • 多民族文化のため人種については偏りがなく、ダイバーシティ(多様性)が高い

チャレンジが推奨され、評価される

アメリカ本国では開拓者精神が尊重されているため、アメリカ系企業においてもチャレンジが推奨されています。高い目標の実現を目指してそれが成功した場合、得られるリターンも多いことはアメリカンドリームとしてもよく知られていますが、失敗した場合にも次へのステップとして評価される懐の広さもあります。

若い内から大きな仕事を任されたい、高い目標をこなして高い報酬を獲得したいという方には最適な職場です。

契約主義で、契約が非常に重視される

多民族国家のアメリカでは、お互いに異なる価値観や慣習のなかで、明確に定められ曖昧さを排した法律をお互いの共通言語としてきました。そのため、契約時には、日本のような「ケースに応じてお互いに誠実に対応する」という誠実協議要項は一般的ではなく、お互いの了解対象を明確に定めた「完全なる合意条項」(Entire Agreement)が盛り込まれます。

ビジネスの場においても、どこからどこまでが自分の仕事範囲なのか、仕事の目的や目標は何かといったことが明確にされていることが多く、雇用契約や業務上の契約を結ぶ際にもかなり具体的な部分まで定めることが一般的です。また、一度交わした契約の履行は厳しく追われますので、アメリカ系企業と何かしらの契約を結ぶ際には、契約内容が履行可能かどうか、自分にとって不利な条項がないかをチェックすることが大切です。

成果主義/業績評価で、短期的に成果を上げる必要がある

アメリカでは、株式のような直接金融の資金調達方式が主流のため、経営も株主のほうを向いて行われます。したがって、株主にとってメリットとなる短期的な利益が好まれる傾向にあり、ケースによっては中長期的な利益が犠牲になることもあります。

即戦力が求められ、ジェネラリストよりもスペシャリストが好まれる。

短期的な利益が重視されるアメリカでは、新卒のような利益を生むのに時間がかかる人材は採用されることが少なく、即戦力として採用の翌日から利益を上げることが期待されます。そのため、何でもできますというジェネラリストではなく、すぐに利益に直結するスペシャリティを持つ人材が評価されます。

多民族文化のため人種については偏りがなく、ダイバーシティ(多様性)が高い

人種のるつぼと言われるアメリカは、多民族文化が基本なので、企業内の人材も多種多様です。そのため、会議や何気ない会話のなかでも、日本人同士のコミュニケーションでは気づかないような新しい視点やアイデアが生まれることがあります。

アメリカ系企業に強い転職エージェント

アメリカ系企業へ転職するにあたっては、求人情報はもちろんのこと、個別企業の経営スタイルや事業戦略、企業風土、人事評価制度、報酬体系など、事前の情報収集が非常に大事です。また、企業ごとの職務経歴書のポイントや面接通過のポイントなどの情報についても、事前におさえておきたいところです。一人で情報収集をするのは限界がありますので、外資系に強い下記転職エージェントを活用して情報を効率的に集めましょう。

リクルートエージェントは、国内最大手ということで他社に比べて非公開求人数も圧倒的なので、まずはじめに登録しておきたい転職エージェントです。企業の情報量についても群を抜いていますので、応募先の内部情報や面接前後のフォローなど手厚いサポートを受けることができます。アデコは、スイス発の外資系転職エージェントなので、アメリカ系企業を含めた欧米系の求人に強いという特徴があります。また、外資系の企業に精通したコンサルタントも豊富で、登録後に色々なアドバイスを受けることができます。一方、JACリクルートメントは、ロンドン発祥の日系転職エージェントで独自のグローバルネットワークと豊富な非公開求人(全体の70%)を保有しています。

代表的なアメリカ系企業

日本の外資系企業に占めるアメリカ系企業の割合は3割を超えており、国内のアメリカ系企業も数千社にのぼります。ここでは、そのなかでも有名な企業について紹介します。

1.金融の代表的なアメリカ系企業

  • シティバンク
  • スタンダード・アンド・プアーズ
  • バンク・オブ・アメリカ
  • Visa
  • アメリカン・エキスプレス
  • マスターカード
  • 日本GE

2.保険の代表的なアメリカ系企業

  • AIU保険
  • アメリカンファミリー生命保険
  • アメリカンホーム保険
  • ジブラルタ生命保険
  • ハートフォード生命保険
  • プルデンシャル生命保険
  • マスミューチュアル生命保険
  • メットライフアリコ

3.投資銀行/投資ファンドの代表的なアメリカ系企業

  • JPモルガン・チェース
  • JPモルガン証券
  • カーライル・グループ
  • グリーンヒル
  • ゴールドマン・サックス
  • フーリハン・ロッキー
  • ブラックストーン・グループ
  • ベインキャピタル
  • メリルリンチ
  • モルガンスタンレー
  • リップルウッド・ホールディングス

4.戦略系コンサルティングファームの代表的なアメリカ系企業

  • A.T.カーニー
  • アーサー・D・リトル
  • ブーズ・アンド・カンパニー
  • ベイン・アンド・カンパニー
  • ベリングポイント
  • ボストン・コンサルティング・グループ
  • マッキンゼー・アンド・カンパニー

5.人事組織/IT系コンサルティングファームの代表的なアメリカ系企業

  • エーオンヒューイットジャパン
  • ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
  • タワーズワトソン
  • ナインシグマ・ジャパン
  • ヘイコンサルティング
  • マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング

6.ITソリューション・システム開発の代表的なアメリカ系企業

  • AT&Tジャパン
  • ガートナー・ジャパン
  • コグニザント・ジャパン
  • シスコ・システムズ
  • 日本IBM
  • 日本オラクル
  • 日本NCR

7.ウェブサービスの代表的なアメリカ系企業

  • アマゾン・ジャパン
  • グーグル
  • ヤフー・ジャパン
  • セールスフォース・ドットコム
  • グルーポン

8.ハードウェア開発の代表的なアメリカ系企業

  • アップル・ジャパン
  • インテル
  • デル
  • 日本ヒューレット・パッカード

9.ソフトウェア開発の代表的なアメリカ系企業

  • アドビシステムズ
  • アンシス・ジャパン
  • シマンテック・ジャパン
  • マカフィー
  • 日本マイクロソフト
  • SAS Institute Japan

10.広告代理店の代表的なアメリカ系企業

  • DDBJapan(ディーディービージャパン)
  • Euro RSCG(ユーロアールエスシージー)
  • Futurebrand(フューチャーブランド)
  • GREY group(グレイ・ワールドワイド)
  • GroupM Japan(グループエム・ジャパン)
  • I&SBBDO(アイ・アンド・エス・ビービー・ディーオー)
  • JWT(ジェイ・ウォルター・トンプソン)
  • Wieden+KennedyTokyo(ワイデンアンドケネディトウキョウ)
  • Wunderman
  • オクタゴン・ワールドワイド
  • オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン
  • ファロン
  • マッキャンエリクソン
  • ランドーアソシエイツ
  • 電通ワンダーマン(電通グループとの合弁)

11.化学/製薬会社の代表的なアメリカ系企業

  • アストラゼネカ
  • アムジェン
  • アボットジャパン
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン
  • デュポン
  • バクスター
  • ファイザー
  • メルク・アンド・カンパニー
  • マイラン
  • 日本イーライリリー

12.医療機器メーカーの代表的なアメリカ系企業

  • GEヘルスケア・ジャパン
  • ゲティンゲ・ジャパン
  • コヴィディエングループ・ジャパン
  • セント・ジュード・メディカル
  • ベクトン・ディッキンソン
  • ボストン・サイエンティフィック
  • ライカ・マイクロシステムズ
  • 日本ストライカー
  • 日本ベクトン・ディッキンソン
  • 日本メドトロニック

13.化粧品メーカー・コスメの代表的なアメリカ系企業

  • BOBBI BROWN(ボビイ ブラウン)
  • CLINIQUE(クリニーク)
  • de LA mer(ドゥ・ラ・メール)
  • ESTEE LOADER(エスティローダー)
  • ANNA SUI(アナスイ)

14.日用品メーカーの代表的なアメリカ系企業

  • P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)

15.食品メーカーの代表的なアメリカ系企業

  • キャンベル・ジャパン
  • ドール
  • ハーシー・ジャパン
  • ハインツ日本
  • ペプシコ
  • ホーメル・フーズ・ジャパン
  • マース・ジャパン・リミテッド
  • 日本コカ・コーラ
  • 日本クラフトフーズ
  • 日本ケロッグ
  • 日本ヒルズ・コルゲート

16.自動車メーカーの代表的なアメリカ系企業

  • クライスラー
  • ケンワース(トラック)
  • ゼネラルモーターズ(GM)
  • ハーレーダビッドソン(オートバイ)
  • パッカー(トラック)
  • フォード・モーター
  • グッドイヤー(タイヤ)
  • イートン・コーポレーション
  • カミンズ(ディーゼルエンジン)

17.外資系メーカーその他の代表的なアメリカ系企業

  • アップリカ・チルドレンズプロダクツ
  • キーエンス
  • キャタピラー
  • コーニング・ジャパン
  • サン・ディスク

18.小売の代表的なアメリカ系企業

  • すかいらーく
  • 西友
  • QVCジャパン

19.アパレルの代表的なアメリカ系企業

  • GAP・ジャパン
  • ラルフローレン

20.石油サービスの代表的なアメリカ系企業

  • シュルンベルジェ

21.旅行・航空サービスの代表的なアメリカ系企業

  • USエアウェイズ
  • アトラス航空
  • アメリカン航空
  • アラスカ航空
  • サウスウエスト航空
  • デルタ航空
  • ハワイアン航空
  • フェデックス
  • ユナイテッド航空
  • ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)

22.ホテルの代表的なアメリカ系企業

  • ウェスティン
  • グランド・ハイアット
  • ザ・リッツ・カールトン
  • シェラトン
  • セントレジス
  • ダブリュー・ホテル
  • ハイアット・リージェンシー
  • パーク・ハイアット
  • マリオット・インターナショナル
  • ル・メリディアン

業界別のアメリカ系企業

外資系企業の中でも最も企業数が多いアメリカ系企業について、業界ごとに企業の動向を紹介しています。

1.金融業界のアメリカ系企業の動向

外資系金融の分野では、シティバンク、日本GE、スタンダード・アンド・プアーズなどが有名です。シティグループは、ニューヨークを本拠として金融関連事業を行う企業を傘下を持つ持ち株会社です。その中で、世界有数の金融サービス会社として世界23か国に100支店を有する世界最大級のシティバンク、エヌ・エイの日本法人がシティバンク銀行です。日本国内における銀行業を担っており、2008年時点での総資産は6兆円を誇ります。

日本GEは、アメリカのゼネラル・エレクトリックの日本法人です。1999年の設立後、2009年からは不動産事業を行なっていたGEリアル・エステート株式会社と合併し2010年には法人金融事業を展開するGEフィナンシャルサービス株式会社と合併し現在の形になりました。本社機能としての統括を行う部署、法人金融を取り扱う部署、不動産事業を行う部署の3つから成り立ち、社員も約5000名います。

スタンダード・アンド・プアーズは、ニューヨークを本拠として事業を展開する投資情報企業です。企業の信用力を調査し、格付けを行う機関としての役割を担っています。格付け対象の債券発行体から手数料を得るというビジネスモデルです。アメリカの主な株式指数であるS&P 500を算出して発表しています。日本においては1975年に初の格付けを実施し、1986年には東京にオフィスを開設しました。

2.保険業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系保険会社としては、AIU保険、アメリカンファミリー生命保険、アメリカンホーム保険、ジブラルタル生命保険、ハートフォード生命保険、プルデンシャル生命保険、マスミューチュアル生命保険、メットライフアリコなどCMなどでもおなじみの保険会社が並びます。

2008年のリーマン・ショック以来、保険の契約に関しても回復が見られています。日本は世界の中でもアメリカ・イギリスに次ぐ保険大国と呼ばれるほど保険加入率や保険料が多い国です。各社ともに日本を重要な市場の一つに位置づけており、アフラックやアメリカンホーム・ダイレクト、メットライフアリコなどテレビCMなど大規模なプロモーションを活用してブランディングに力を入れています。また、プルデンシャル生命保険のように「生命保険のプロフェッショナル」として認知を高めている会社もあります。

3.アメリカ系投資銀行/投資ファンドの動向

アメリカ系の投資銀行には、フォーブス・グローバル2000で、2010年と2011年で世界一位を獲得したことがあるJPモルガン・チェース、社員の平均ボーナスが6500万円以上と報道されたこともあるゴールドマン・サックス、同じくゴールドマンサックスやJPモルガンと並び称されるモルガンスタンレーなど、世界的に認められている企業が名を連ねます。

リーマン・ショックの直後は、各社で信用不安や解雇、年収ダウンが相次ぎ、転職の人気度も下がりましたが、アベノミクス以降は業績や転職先としての人気も回復してきています。

近年、日本に進出してきた企業としては、2000年に進出し外資系でありながら社員が全員日本人という特徴を持つカーライル・グループ、2008年に進出しM&Aを中心として、財務リストラや融資、資金調達などに関するアドバイザリを行うグリーンヒル・ジャパン、2006年にミドルマーケットM&Aアドバイザーリーグテーブルで第1位の実績を獲得し、2007年に日本法人を設立したフーリハン・ロッキー、リーマンブラザーズ退職後に立ちあげられたブラックストーン・グループ、ベイン・アンド・カンパニーのシニアパートナーが1984年に創業し、会社の設立以来、従業員数、運用総額が右肩上がりで上昇し続け、2006年に日本に進出したベインキャピタルなどがあります。

4.戦略系コンサルティング業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系の戦略コンサルティングファームとしては、世界最高峰の戦略コンサルティングファームと称されるマッキンゼー・アンド・カンパニーを始め、同じく世界トップクラスの戦略コンサルティングファームに位置づけられているボストン・コンサルティング、1926年にマッキンゼー・アンド・カンパニーと袂を分かち少数精鋭で30カ国以上で活躍をしているA.T.カーニー、1886年に設立された世界で最も古い経営戦略のコンサルティングファームであるアーサー・D・リトル、「プロダクト・ライフ・サイクル」「サプライ・チェーン・マネジメント」といった有名な概念の生みの親であるブーズ・アンド・カンパニー、世界60ヶ国に1万人を超える従業員を抱えるベリングポイント、徹底した成果主義を掲げて、結果を出すことに重点を置いたコンサルティングにこだわるベイン・アンド・カンパニーなどが有名です。

また、マッキンゼー・アンド・カンパニーとボストン・コンサルティングの2社について、もう少しふれておくと、マッキンゼー・アンド・カンパニーは、アメリカを中心にヨーロッパ、アジア、南米など世界44か国に展開しています。2万人近く従業員がいる大規模な戦略コンサルティング会社として、年間1600件もの主要企業のプロジェクトを手掛けています。日本支社は1971年に開設され、出身者には大前研一など著名人が多いのが特徴です。

ボストン・コンサルティング・グループは、1963年に設立された、ボストンに本拠地を置く世界的な戦略コンサルティングファームです。「経験曲線」「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」の生みの親でもあります。マッキンゼー・アンド・カンパニーと業界を2分する形で、世界の優良企業500社の内の3分の2を顧客として持ちます。世界43か国に進出しており、日本法人は世界で2番目の拠点として1966年に設立されました。

5.人事組織/IT系コンサルティング業界のアメリカ系企業の動向

日本には、人事・組織系のコンサルティングファームも数多く進出してきています。主な企業としては、世界40か国以上に展開する、最大の人事・組織マネジメント・コンサルティングファームであるマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング、世界中の8000以上の企業や団体で用いられている職務評価法を有するヘイ・コンサルティング、ワトソン・ワイアットとタワーズ・べリンの合併によって2010年に設立されたタワーズ・ワトソン、世界90か国に3万人近くの従業員を抱えている組織・人事コンサルティング会社であるエーオン・ヒューイット・ジャパンなどがあります。

他にも、1991年にCambridge Technology Groupからコンサルティング部門が独立し、設立されたIT系のコンサルティングファームのケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ、研究開発業者を紹介・仲介する技術コンサルティングファームのナインシグマ・ジャパンなどもあります。

6.ITソリューション・システム開発業界のアメリカ系企業の動向

本国にITベンチャーの聖地シリコンバレーを有しているだけあって、アメリカ系のIT企業の数は非常に多くなっています。アメリカ系IT企業を、ITソリューション・システム開発、ウェブサービス、ソフトウェア開発、システム開発に分けてそれぞれ紹介します。

ITソリューション・システム開発の代表的企業としては、国内で8000億円以上の売上を持ち、従業員を1万6000人抱える日本IBM、近年SaaSに力を入れてきている日本オラクル、インドを主要な拠点として事業を展開する情報技術・ビジネスプロセス分野のリーディングカンパニーのコグニザント・ジャパン、キャッシュレジスターやATMなど消費者の目に触れる機会の多い製品も多数製造している日本NCR、大手企業に対してネットワークのアウトソーシングのサービスを展開しているAT&Tジャパン、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社で2011年には日本経営品質賞を受賞したシスコ・システムズなどがあります。

7.ウェブサービス業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系ウェブサービスの企業としては、グーグル、ヤフー・ジャパン、アマゾン・ジャパン、グルーポン、セールスフォース・ドットコムなどがあります。

グーグルは1998年に設立され、カリフォルニア州に本社を置いています。現在、収益の多くはオンライン広告であるアドワーズから得ており、2012年には、最も訪問者数が多いサイトとしてgoogle.comが選ばれました。他にも、YoutubeやBloggerなど複数のサイトが100位以内に選ばれています。定期開催されるイベントなどの充実した福利厚生、ペットやおもちゃを持ち込める企業文化が特徴的です。

ヤフーは、スタンフォード大学のファイロとヤンの2人が、ベンチャーキャピタルに事業化を持ちかけられたことをきっかけに、1995年に会社を設立しました。本社はカリフォルニア州にあり、11,000人以上の従業員を抱えています。検索エンジンやポータルサイト等のインターネット関連の事業で展開しています。また、2009年から2012年にかけてCEOの交代が相次ぎ、最終的にGoogle元役員のマリッサ・メイヤーがCEOに就任しました。

アマゾンは、1994年設立、ワシントン州に本社を本拠としてインターネットを利用した商取引の分野で最初に成功した企業です。2013年までで12か国に進出しており、日本においてのサイト運営を行なっているのがアマゾンジャパンです。強力なレコメンデーション機能、取扱品目を増加などにより急激に規模が拡大し、2013年には76.39億ドルを売り上げています。

グルーポン・ジャパンは、2008年に設立され、ヨーロッパやアジアを中心に29か国で事業を展開しており、3500万人ものユーザーがいます。日本には2010年に進出しています。セールス・フォース・ドットコムは、営業支援や顧客管理、ソフトのSaaSベンダーとして実績を伸ばしてきました。米国フォーブス誌の「世界で最も革新的な企業ランキング」では、3年連続で1位に選出されています。日本法人は2000年に設立され、多くの大手企業、公官庁に対してサービスを提供しています。

8.ハードウェア製造業界のアメリカ系企業の動向

デジタル機器製造を手がける企業としては、アップル・ジャパン、デル、日本ヒューレット・パッカード、インテルなどが有名です。

アップル・ジャパンは、カリフォルニア州に本社を置き、デジタル機器及びそれに関連するソフトウェア製品の開発・販売を行う世界的な企業で、アップルの日本法人です。特に、スマートフォンやタブレット、パーソナルコンピュータなどの分野では世界中に根強いユーザーを持ちます。アメリカ本社は2012年、株式時価総額がマイクロソフト社の記録した史上最高額を超え、6230億ドルまで達しました。

デルは、1984年にパソコン保守を行う会社として創業し、パソコンの製造販売を中心に事業を拡大してきました。他にも、サーバやストレージも手掛けています。本社はテキサス州にあり、世界市場トップレベルのシェアを誇るエンドツーエンドのソリューション・プロバイダーです。日本には1988年に事務所を開設しており、1993年から日本での販売を開始しています。

日本ヒューレット・パッカードは、1963年、アメリカのヒューレット・パッカードと日本の横河電機の合弁会社、横河ヒューレット・パッカードとして設立されました。その後合弁が解消され、ヒューレット・パッカードの完全子会社となりました。コンピュータやその周辺機器、ソフトウェアの開発、製造・販売を主な事業内容としており、2007年にはグループ全体で1000億ドルの売上高で、IT企業としては世界第1位となりました。

インテルは、1968年の設立以後、カリフォルニア州に本拠を置き、世界第1位の半導体メーカーとしてマイクロプロセッサやフラッシュメモリなどを製造・販売しています。CPU市場では、80%近くのシェアを誇っています。世界50か国以上に事務所を持ち、従業員は7000人(2007年度)います。日本には、1971年に支社が設置されています。少し古い調査ですが2006年度には、ブランド価値の調査では、コカ・コーラ、マイクロソフトなどに次いで5位を獲得しています。

9.ソフトウェア開発業界のアメリカ系企業の動向

ソフトウェア開発の領域においても、有名なアメリカ系企業は数多く存在します。世界最大規模のコンピューター・ソフトウェア会社であるマイクロソフトを親会社に持つ日本マイクロソフトは、2010年時点で日本法人だけで3237億円を売り上げています。また、「Illustrator」や「Photoshop」など、日本においても知名度の高いアドビシステムズ、セキュリティソフトの分野では「マカフィー アンチウイルス」で有名なマカフィー、「ノートンシリーズ」を展開するシマンテック・ジャパンがあります。その他、世界60か国以上に販売拠点を持つCAE ソフトウェアのリーディングカンパニー、ANSYS, Inc. の子会社であるアンシス・ジャパンなどもあります。

ソフトウェアの分野では、これまでPCにインストールしなければならなかったソフトがクラウドサービスへと移行してきています。前述の「Illustrator」や「Photoshop」、セキュリティソフトの多くもクラウド化されており、今後もクラウドサービスへのシフトは進んでいくことが予想されます。

10.広告業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系広告代理店も非常に数が多いのですが、有力企業の多くが、世界の3大広告グループと呼ばれるWPP Group(WPPグループ)グループ、Omnicom Group(オムニコムグループ)、Interpublic Group(インターパブリックグループ)に属しています。

WPP Group(WPPグループ)は、世界最大級の広告代理店として、110カ国に進出しグループ全体で3,000のオフィス、146,000人を抱える超巨大グループです。「日本コカ・コーラ」や「みずほフィナンシャルグループ」などの大手企業を中心に100以上のクライアントに対しマーケティング・コミュニケーション・サービスを提供するオグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンを始めとして、GREY group(グレイ・ワールドワイド)、ネーミングやコーポレートアイデンティティ、ロゴデザインを手掛けるランドーアソシエイツ、メディアプランニングやメディアバイイングを中心に手がけるGroupM Japan(グループエム・ジャパン)、ダイレクトマーケティングを手がけるWunderman(ワンダーマン)、ワンダーワンと電通が共同で設立した電通ワンダーマン、1864年に創業した世界初の広告会社であるJWT(ジェイ・ウォルター・トンプソン)などの企業を抱えています。

Omnicom Group(オムニコムグループ)は100ヶ国以上にまたがり、5,000社を超えるクライアントをグループで抱える巨大広告代理店グループの一角です。日本マクドナルドやユニリーバ、フォルクスワーゲングループジャパンなどといった大手企業を中心に、コミュニケーションプランニングやATLおよびBTL戦略の戦略立案をしているDDBJapan(ディー・ディー・ビー・ジャパン)、花王や関西電力、資生堂、日本ハム、野村証券などをはじめとするど大手企業を中心にブランディング、ストラテジックプランニング、トータルメディア、マーケティングといった4つのサービスを提供するI&SBBDO(アイ・アンド・エス・ビー・ビー・ディー・オー)などがグループ企業です。

Interpublic Group(インターパブリックグループ)は、世界130ヶ国の400以上のオフィスに、50000名の従業員を抱える広告グループです。世界125か国、306都市に展開している広告会社マッキャンエリクソンを始めとして、ブランドコンサルティング事業を手がけており中途社員には、マーケティング部門で企画・実行をしていたこと、広告会社のAE経験が3年以上であることを求めるなどブランドのプロフェッショナル集団であるFuturebrand(フューチャーブランド)、世界的なスポーツイベントの運営やスポンサー仲介といった事業を軸として展開しているオクタゴン・ワールドワイドなどを傘下に抱えています。

上記以外の広告代理店企業としては、印象的なビジュアルインパクトを与えるクリエイティブ発想が特徴で、ナイキなど大手企業に対してサービスを提供しているWieden+KennedyTokyo(ワイデン・アンド・ケネディ・トウキョウ)、広告賞の常連企業でもありソニー、三菱商事、ユナイテッド航空など大手企業を手がけているファロンなどもあります。

11.化学/製薬業界のアメリカ系企業の動向

化学業界で活躍しているアメリカ系企業には、BASF、Dow Chemical(ダウ・ケミカル)に次ぐ世界第3位の化学企業のデュポンが挙げられます。

また、製薬業界で活躍しているアメリカ系企業には、世界で売り上げ第1位の製薬会社であるファイザー、1888年にイリノイ州で設立され、製薬・ヘルスケアカンパニーとして成長を遂げ2012年時点で世界第9位の売上を誇るアボット・ラボラトリーズの日本法人アボット・ジャパン、次いで世界第10位にランクインしているイーライ・リリーの日本法人である日本イーライ・リリーなどが見受けられます。

日本は医薬品市場で世界第2位に位置づけられる重要な市場であり、上記の製薬各社もしのぎを削っています。近年、日本市場での反応や経験を、新興国での展開につなげようとする企業が増えています。

12.医療機器業界のアメリカ系企業の動向

医療機器業界においても、アメリカ系のメーカーは数多く存在します。単純X線撮影、MRI、CTなどの製造を手がけるGEヘルスケア・ジャパン、中央材料・滅菌室関連設備、手術室関連設備などを手がけるゲティンゲ・ジャパン、使い捨てコンタクトレンズの「アキュビュー」などで知名度の高いジョンソン・エンド・ジョンソン、心房細動やカーディアック・リズムマネジメント、心臓血管外科などに関わる医療機器お製造するセント・ジュード・メディカル、血友病・癌・腎疾患・免疫障害といった分野の治療法を提供するバクスター、医療用顕微鏡の分野におけるグローバルリーダーであるライカ・マイクロシステムズ、人工関節や骨接合材などを中心とした医療機器の輸入販売の事業をメインに展開する日本ストライカー、臓ペースメーカーで世界最大のシェアを持つ日本メドトロニックなどが挙げられます

その他、140か国以上で製品を展開し、2013年の売り上げは100億ドルを超えているコヴィディエングループの日本法人であるコヴィディエングループ・ジャパン、世界50か国以上に約3万人の従業員を抱えFortune 500にも2009年と2010年で連続して選出された日本ベクトン・ディッキンソン、医療機器の輸入・販売、臨床開発、医療分野におけるセミナーや講演会の開催を主な事業内容としているボストン・サイエンティフィックなども日本で精力的に事業展開をしています。

13.化粧品メーカー・コスメ業界のアメリカ系企業の動向

化粧品・コスメ業界には、世界的な化粧品メーカーであるエスティローダーグループに属している企業が数多く存在しています。たとえば、カラーアイテムやブラシコレクション、スキンケアなどプロのような仕上がりを簡単に実現できるのが特徴のBOBBI BROWN(ボビイ ブラウン)、アメリカで著名な皮膚科医ノーマン・オラントラック博士と雑誌「VOGUE」の編集者キャロル・フィリップスが協力して世界初の低刺激性の製品の研究・開発を行ない、事業を展開しているCLINIQUE(クリニーク)、伊勢丹や三越といった百貨店・デパートに出店しており、数万円単位の高単価な商品にも関わらず、非常に売れ行きが好調なde LA mer(ドゥ・ラ・メール)などがエスティローダー・グループ傘下の企業となります。

エスティローダー・グループは、ニューヨークを本拠として化粧品やスキンケア・ヘアケアなどの製造・販売を行う世界的な企業です。前述のように傘下の企業も多く有し、世界中の百貨店やアウトレットに4万人近くの従業員を抱えています。2009年には、売上高が70億ドルを超えるほどまで成長しました。日本においては、1967年に支社を設立し、その翌年以降から東京や大阪を中心として販売を開始しています。

エスティローダー・グループ以外で有名な企業としては、ミシガン州出身のファッションデザイナーであるアナスイが立ちあげたANNA SUI(アナスイ)もあります。コスメの分野を軸に事業を展開し、特にスイ・ドリームなどの香水が有名な商品として挙げられます。艶のある蝶やバラをモチーフにした黒基調の色遣いが特徴的です。化粧品に関してはP&Gに買収され、一部門であるウェラと提携しています。12か国に381店舗以上を出していますが、そのうちの5分の1が日本となっています。

化粧品業界全体の傾向としては、ウェブサイトを中心とした通販チャネルが拡大してきています。ウェブのマーケティングがワンストップでできる人材は、企業側の採用ニーズが高まっているため、転職の際にも有利に働きます。

14.日用品業界のアメリカ系企業の動向

日用品業界のアメリカ系企業は、何といってもP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)です。P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、オハイオ州に本社を置く、世界最大の一般消費財メーカーとして、家庭用製品や食品などの製造・販売を世界180か国において行なっています。また、マーケティングに力を入れており、社内のブランドマネージャーの競争は激しいものとなっています。フォーチュン誌の評価で、「社員の能力」が全業種の中で世界ランキング1位に選ばれています。

15.食品業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系の食品メーカーは、代表的な企業だけでも10社を超えます。

アメリカ系の食品メーカーは、代表的な企業だけでも10社を超えます。食料品の分野では、パイナップルやブドウ、イチゴなどを出会しているドール、スープ缶とその関連製品の製造と販売を行う食品会社、キャンベル・スープ・カンパニーの日本支社キャンベル・ジャパン、トマトケチャップの流通量・販売量共に世界1位のハインツ日本、フォーブス誌によって「アメリカの大企業ベスト400」に名を連ね、豚肉や七面鳥など食肉加工品の製造・販売をしているホーメルフーズジャパン、アメリカ最大規模のチョコレート製造会社であるハーシー・ジャパン、コーンフレークなどでお馴染みの日本ケロッグなどが挙げられます。

また、飲料水の分野では、日本での清涼飲料水のシェア1位を誇り、日本の企業の中で毎年30位以内の利益を出す高利益企業でもある日本コカ・コーラが高い知名度を獲得しています。また、ペットフードの分野には1907年の設立以来、世界95カ国に事業を展開しているペットフードメーカー、日本ヒルズ・コルゲートなどもあります。

16.自動車業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ自動車メーカーのビックスリーと言われる、ゼネラルモーターズ、クライスラー、フォード・モーターを中心に、アメリカには世界の自動車産業を牽引する自動車メーカーとそれを支える自動車部品メーカーが多数存在します。日本人の採用ニーズも高く、トヨタ自動車・日産・ホンダなどの日系自動車メーカーで実務経験を積んだ人材を積極的に採用しています。

他にも、計測機器や情報機器などの開発・製造・販売をしているキーエンス・ジャパンという企業は、毎年の日本経済新聞社の優良企業ランキングの上位を獲得し、2012年の平均年収は、平均年齢が34.4歳で1322万円と高額なことでも知られています。

17.その他の製造業界のアメリカ系企業の動向

上記以外のアメリカ系メーカーとしては、育児用品や子供用乗り物、玩具、金属雑貨などを中心に製造を販売を行なっているアップリカ・チルドレンズプロダクツ、フラッシュメモリやメモリーカードなどのメモリー製品を中心として製造・販売を行なっているサンディスク、世界最大規模のガラス製品の製造・販売会社であるコーニング・ジャパン、建設機械、ディーゼルや天然ガスエンジンなどに関して世界最大の製造会社であるキャタピラージャパンなども有名です。

他にも、計測機器や情報機器などの開発・製造・販売をしているキーエンス・ジャパンという企業は、毎年の日本経済新聞社の優良企業ランキングの上位を獲得し、2012年の平均年収は、平均年齢が34.4歳で1322万円と高額なことでも知られています。

18.小売業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系小売企業として、すかいらーく、西友、QVCジャパンの3社です。すかいらーくは、「ガスト」や「バーミヤン」、「夢庵」など人気ファミレスチェーンを経営する外食産業企業で、現在は投資ファンドであるベイン・キャピタルの資本下にあります。

西友は、スーパーマーケットチェーンとして売上高が世界一の規模を誇るウォルマートの日本における子会社です。大株主であった住友商事が他にサミットなどを運営していた関係からウォルマートとの提携・資本参加に至り、出資比率が高まっていき、2006年に子会社になりました。固定費の見直しや従業員の効率化による利益率の改善によって、競合に差をつけています。

QVCは、1986年にペンシルベニア州で開局した24時間テレビショッピングを放送するチャンネルです。品質のquality、価値のvalue、便利のconvenienceのそれぞれの頭文字をとっています。日本においては、三井物産との間の合弁会社として設立されました。スカパー!やケーブルテレビ、BSデジタル放送を中心として、宝飾品や美容・健康、食といった分野を中心として事業を展開しています。

19.アパレル業界のアメリカ系企業の動向

アメリカ系のアパレル企業として有名なのは、GAPジャパンとラルフローレンです。GAPジャパンは、サンフランシスコに本社を置く、アメリカ最大の衣料品小売店です。商品の企画を自社で行ない、それを委託生産させ、自社のチェーン店舗で販売するという形式をとっています。これは製造小売業という概念で、ギャップが1986年に提唱したものです。界に3100もの店舗と134000人の従業員を雇用しています。日本法人は1994年に設立され、ほとんどの都道府県に出店しています。

一方、ラルフローレンは「RALPH LAUREN」のブランドを中心とした婦人服や紳士服、雑貨などの製造販売を行なっている会社です。アメリカのラルフローレンの100%出資の日本法人は2009年に設立されており、ストアの運営事業を展開しています。現在、ファクトリーストアを14店舗運営しています。また、百貨店などにも出店し、全国130拠点で400ものショップを展開しています。

20.石油サービス業界のアメリカ系企業の動向

影の石油メジャーとも称されるシュルンベルジェは、ヒューストンに本社を置き、世界85か国に12万人の従業員を有する超巨大企業です。油田検層事業、油田サービスを取り扱う企業としては世界最大で、ワイヤーライン検層等を用いて、埋蔵量解析や油田の生産開始など各種サポートを行なっています。また、高温高圧に対応した検層機器などの開発や製造も行っています。100%子会社の日本法人はアジアの生産拠点として位置づけられています。

21.旅行・航空サービスのアメリカ系企業の動向

旅客機・貨物機共に、アメリカの航空会社は世界の航空業界を牽引する存在となっています。実際に、2011年度に国際航空運送協会が公開したデータによると、世界の定期便旅客数ランキングの上位3位は、デルタ航空・サウスウエスト航空・アメリカン航空となっており、アメリカ系航空会社が席巻しています。

22.ホテル業界のアメリカ系企業の動向

訪日外国人が1000万人を超え、長期的な成長市場であると考えられている日本には、アメリカのホテル企業も競って開業をしています。

現在、日本に進出しているホテルグループは、世界100か国に1175軒ものホテルとリゾートを持つスターウッド・ホテル&リゾーツ・ワールドワイド、世界中に500棟以上ものホテルや多数のホテルブランドを有するハイアットホテルアンドリゾーツ、70以上の国や地域に宿泊施設を展開するマリオット・インターナショナルの3つが代表的です。

スターウッド・ホテル&リゾーツ・ワールドワイドの傘下には、世界37か国に160以上のホテルを展開するウェスティン、世界70か国に400ホテル、60以上ものリゾートを持つシェラトン、ラグジュアリーホテルブランドのセントレジス、高級ホテルとして宿泊に特化したデザイナーズ・ホテルサービスを展開するダブリュー・ホテル、世界50か国以上に100軒ものラグジュアリーホテルを構えるル・メリディアンなどがあります。

ハイアットホテルアンドリゾーツのグループ企業としては、グランドホテルを現代の雰囲気にアレンジしたインテリアを特徴とし、世界に300室以上を誇る大規模なホテルのグランドハイアット、隠れ家というコンセプトを持ち、客室を少なくしてその分サービスの質を高めているという特徴のパークハイアット、ビジネスからレジャーまで幅広い分野に対応しているハイアットリージェンシーなどが挙げられます。

マリオット・インターナショナルには、国内外の主要雑誌で多くの受賞歴を持つザ・リッツ・カールトンのホテルブランドがあります。日本では、東京・大阪・沖縄の3都市でザ・リッツ・カールトンの営業をしています。

アメリカ系企業の良い点

  • 若くても仕事を任せてもらえる
  • 高い目標にコミットして達成すれば、リターンも大きい
  • 数字や利益にコミットする機会が多いため、キャリアチェンジの際に有利に働く
  • 仕事の範囲や内容が明確で分かりやすい
  • 専門性を高めることができる
  • 社内公用語が英語であることが多く、英語力が身に付く
  • ダイバーシティが高いため、コミュニケーションを通して学べることが多い

若くても仕事を任せてもらえる

チャレンジを奨励する文化のあるアメリカ系企業では、若くても見込みがあると判断される人材には、大きな仕事が任されます。日系企業では、どうしても下積みの期間が長くなってしまいがちなので、自分の力を試したい、若い内に色々なことにチャレンジしたいと考えている方にとって、アメリカ系企業に勤めることには大きなメリットがあります。

高い目標にコミットして達成すれば、リターンも大きい

ボーナスが数千万円にものぼる投資銀行が顕著ですが、高い目標をこなせば相応の評価や報酬をもらえるのがアメリカ系企業の特徴の一つです。自分の専門性を活かして高い報酬を獲得したいと考えているならば、アメリカ系企業は職場として最適です。

数字や利益にコミットする機会が多いため、キャリアチェンジの際に有利に働く

短期的な利益を重視する傾向が強いアメリカ系企業では、自分の仕事が利益にどうつながっているかを常に意識させられると同時に、数字や利益に日常的にコミットすることになります。在籍中に大きな実績にコミットできれば、その後の転職でも大きなアピールポイントとなるため、キャリアチェンジにも大きなメリットがあります。

仕事の範囲や内容が明確で分かりやすい

契約を重視するアメリカ系企業では、仕事の範囲や仕事内容もかなり具体的なところまで定められます。日系企業にありがちな空気を読んで他の人の仕事を手伝わなければいけないということが少ないため、自分のペースで仕事をしたい方や他の仕事にわずらわされたくないという方には勤めるメリットがある職場と言えるでしょう。

専門性を高めることができる

即戦力が求められるアメリカ系企業では、社員それぞれが自分の専門性を高めていくことが求められます。経理や法務、マーケティングなど「この道のプロとして生きていく」と決めた領域で、とことんまで専門性を追求できるので、専門性を高めて職種のプロフェッショナルを目指している方には、勤めるメリットがあります。

社内公用語が英語であることが多く、英語力が身に付く

アメリカ系企業は、社内公用語が英語であることが多いため、文書やメールも英語、会議も英語、電話も英語といったように、英語に触れる機会が非常に多くなります。英語を身につけたい、英語力を高めたいと考えている方にとって、英語を日常的に話す職場で仕事ができるというのは、大きなメリットです。

ダイバーシティが高いため、コミュニケーションを通して学べることが多い

アメリカ系企業は、他の外資系企業に比べてもとにかくダイバーシティが高く、さまざまな人材が社内にいます。国籍や人種を超えてコミュニケーションを行うことで、ものの考え方や着眼点を学ぶことができ、自分の中の固定観念を捨て去ることができ、視野が広がるということもメリットの一つです。

アメリカ系企業の悪い点

  • 若いからといって、特別扱いはしてもらえない
  • 目標が達成できなければ解雇されることも
  • 職務分掌が冥界のため、同僚や部下に助けてもらうことが難しい
  • じっくりと腰を据えて中長期の仕事をすることは難しい
  • 英語が分からないと、仕事にならない
  • 文化や習慣の違いから、衝突してしまうことも

若いからといって、特別扱いはしてもらえない

若手に責任のある仕事を任せるということは、若手を一人前のプロフェッショナルとして扱っているということでもあります。たとえ社会人経験や業界経験が少なかろうと、それを理由に特別扱いを受けることはできないため、第二新卒あたりで外資系を志す場合には注意が必要です。

目標が達成できなければ解雇されることも

利益の貢献度に対して正当な報酬が支払われるという体制において、利益目標を達成できなければ「雇う価値なし」ということで解雇されることもあります。成功すればリターンは大きい分、リスクは日系企業に在籍するよりも高くなるのは仕方のないことともいえます。

職務分掌が明確なため、同僚や部下に助けてもらうことが難しい

アメリカ系企業は、入社時に自分の仕事範囲が明確に定められることが多いのですが、それにより「自分の仕事は自分でこなすのが当然」ということとなり、どんなに忙しくても基本的には周りをあてにせず自分の力で解決することが求められます。

じっくりと腰を据えて中長期の仕事をすることが難しい

株主重視のアメリカ系企業の経営方針では、短期的な利益が重視されますので、5年、10年という単位の長期的なプロジェクトはそう多くありません。「長期的な利益も、短期的な利益の積み重ねの上に成り立つ」というのがアメリカ系企業の一般的な考え方ですから、長期的な仕事をしたい場合は日系企業のほうが適していると言えるでしょう。

英語が分からないと、仕事にならない

アメリカ系企業の社内公用語は英語ですので、文書・メール・電話などビジネスのさまざまなシーンで英語が用いられています。したがって、いくら仕事ができても、英語ができないとコミュニケーションが成り立たないということもありえます。

ただ、語学は追い込まれたときのほうが身に付きやすいということもありますので、英語を身につけるチャンスでもあります。

文化や習慣の違いから、衝突してしまうことも

社内のダイバーシティが高いということは、色々な考え方や価値観が存在するということです。したがって、日本人にとっては当たり前のことや考え方でも、それぞれの国においては受け入れがたい、理解してもらえないといったことも少なくありません。

相手の文化や価値観を十分に尊重しながら、自分の考えをしっかりと伝えることが大切です。

アメリカ系企業に必要な英語力

一口にアメリカ系企業と言っても、日本人比率の高さやローカライズの有無によって求められる英語力は異なりますが、社内公用語に英語を採用している企業では、以下のような水準が求められます。

  • 一線で活躍したければ、TOEIC800点以上は必須
  • 目の前の相手に自分の考えを英語で伝えることができる
  • 英語のメールや文書が読める、書ける
  • 電話相手の英語を聞き取ることができる
  • 会議で自分の意見を発言できる
  • 敬意を示す英語を使うことができる

TOEIC800点以上

社内公用語が英語のアメリカ系企業で活躍したければ、TOEIC800点以上は最低限必要なレベルとなります。TOEIC800点以上を応募要項に指定している企業も少なくありませんので、転職活動を始める前にTOEICで良い点数を取っておくのが無難です。

目の前の相手に自分の考えを英語で伝えることができる

アメリカ系企業では、ある程度は言わなくても「あうんの呼吸」で伝わるようなこともしっかりと言葉にして伝える必要があります。その際、単語をつなぎあわせただけのブロークンイングリッシュでも構いません。私たち日本人も、日本語を話す際にいつも主語・述語や文法を意識しているわけではないのと同様、日常の会話で「きれいな英語」は求められていません。

また、会話の相手も日本人にネイティブレベルの英語は求めていませんので、つたない英語で話していても、しっかりと聞いてくれることが多いのです。これも、日本人が外国人相手に「きれいな日本語」を期待せず、また外国人の話した日本語をしっかりと聞き取ろうと努めるシーンを思い浮かべればわかりやすいでしょう。

英語のメールや文書が読める、書ける

社内公用語が英語のアメリカ系企業では、メールや文書が英語であることが普通です。したがって、多くの連絡や通達が英語でなされますので、メールや文書に書いてある意味を理解できることは必要です。また、外国人上司とのやり取りなど返信が必要なメールについては英語を使う必要があります。

メールの内容自体は簡潔で構いませんが、ある程度フォーマルな言い回しを覚えておくと良いでしょう。日系企業においてもビジネスのシーンでメールを使う場合、会話のような気安さで上司やクライアントとのメールのやり取りをすることがないのと同様、相手が読んで不快にならない程度の英語力は必須と言えます。

電話相手の英語を聞き取ることができる

アメリカ系企業に限らず、外資系企業では上司や顧客が外国人ということも少なくありません。その際、地理的な要因から電話会議を行うことがありますが、電話で通話する場合、音がこもって通常の会話よりも発音が聞き取りにくくなります。

電話で相手から大切なことを伝えられることも少なくありませんので、電話で相手の言っている内容を聞き取ることができる英語力は身につけておきたいところです。なお、ヒアリングにやや不安がある方は、単語の5割程度を聞き取ることができれば大体の内容は把握できるといわれていますので、ビジネスで使われる単語を覚えておくと良いでしょう。

会議で自分の意見を発言できる

これは、英語力というより「会議力」というイメージですが、会議に参加する際は自分に期待される役割を理解したうえで、発言することが求められます。会議の場でやり取りされる内容と、その場の議論の流れを把握したうえで、最も自分を印象付けられるように発言をしていきましょう。英語力を高めるのと同時に、ファシリテーション技術を磨くことで、会議での立ち回りを改善することができます。

敬意を示す英語を使うことができる

英語のコミュニケーションでは、同等の立場からお互いに言いたいことをはっきりと言い合うというイメージが強いかもしれませんが、トップ層に近づくほど相手に配慮した話し方が求められるようになります。

自分の発言で相手が傷つかないように遠回しに内容を伝えたり、相手の心情を汲んだ言い回し(たとえば、指示内容を命令口調ではなくお願いにする等)を用いたりするなど、マネジメント層を目指す方はコミュニケーション相手を気遣った英語を身につけることが大切です。

アメリカ系企業はこんな方におすすめ

アメリカ系企業には、個人主義、実力・成果主義、英語力、明確な職務内容、ダイバーシティの高さなどの点に特徴がありますので、以下のような方におすすめの転職先となります。

  • 若いうちから責任ある仕事がしたい
  • 入社後に利益を稼ぎ出す自信がある
  • 自分のペースで仕事を進めたい
  • 今の専門性を高めて、その道でキャリアアップをしていきたい
  • 世界に通用する英語力を身につけたい
  • 多様な文化や価値観に触れて、刺激を受けたい

若いうちから責任ある仕事がしたい

アメリカ系企業の最大の特徴は、何といっても実力主義であるという点です。年齢や性別に関係なく、優秀な人材にはどんどん仕事を任せてくれるため、若い内から責任ある仕事がしたい、大きなプロジェクトに携わりたい、成果を上げて早く出世したいという方におすすめです。

入社後に利益を稼ぎ出す自信がある

アメリカ系企業では、入社後すぐに利益を稼ぎ出すことができる即戦力が好まれますので、これまでに獲得したスキルや専門性を活用して入社後すぐに活躍できるという確信があれば、相応の高い報酬を獲得できますので、転職先としておすすめです。

自分のペースで仕事を進めたい

アメリカ系企業では、職務分掌が明確なので自分の仕事の範囲も明確に定められています。そのため、周囲の環境や煩わしい事柄に左右されず、仕事をきっちりコントロールしてマイペースに進めていきたいと考えている方にもおすすめです

今の専門性を高めて、その道でキャリアアップをしていきたい

アメリカ系企業では、ジェネラリストよりもスペシャリストが好まれることが多く、専門性を高めてその道のプロになりたいという方や将来のキャリアプランが決まっているという方にとってはおすすめとなります。

世界に通用する英語力を身につけたい

アメリカ系企業には、国籍も人種も多種多様な人材が集まるので、社内公用語は英語とされることが多くなります。アメリカ系企業で働くと、否応なしに英語を話して読み書きする環境に置かれることになりますので、英語を身につけたい、英語力を高めたい、と考えている方におすすめです。

多様な文化や価値観に触れて、刺激を受けたい

アメリカ系企業は、人材のダイバーシティが高いため、日系企業で働くよりも多くの刺激を受けることができます。今の考え方や価値観を超えて、グローバルなコミュニケーションを体感し、視野を広げたいと考えている方には、非常におすすえめできる職場環境です。

アメリカ系企業の年収水準

アメリカ系企業は、日系企業だけでなく他の国籍の企業と比べても年収ベースが高いと言われています。具体的には、20代で600万円~1000万円、30代で800万円~1500万円程度を目指すことができます。

さらに、投資銀行やコンサルティングファーム、花形のIT企業など利益率が高い企業に転職できれば、20代で1000万円を超えるケースも珍しくはありません。提示される年収は、人材要件と年収テーブルに基づいて決められるというよりは、その時々で必要な人材を時価で調達するというマーケット方式で定められることが多いため、業界の動向と企業の戦略、企業内で需要が高まっているポジションなどを見極めて、自分にとって最も好条件な求人を探し出してベストなタイミングで応募するという流れをイメージしておきましょう。

なお、アメリカ系企業は年収水準が高い反面、雇用リスクが大きく、福利厚生面でも日系企業ほどの待遇は期待できません。また、50代以降の転職は一般的ではないので、気力と体力充実している若い内に「太く短く稼ぐ」というのが前提となります。日系企業に勤めるよりも短い就業期間で、いかに生涯賃金を最大化できるかが、アメリカ系企業への転職を検討する際のカギとなります。

アメリカ系企業に転職するには

アメリカ系企業は、日本全体の外資系企業の3割前後を占めていますので、業界業種ともにバリエーションがあります。ただ、アメリカ系企業はブランド力も高く、競争倍率が低いわけではありません。成果にシビアなアメリカ系企業に「ぜひあなたに来てほしい」と言ってもらえるように、誰の目にも分かりやすい実績や即戦力であることを示す材料をいくつか用意しておきたいところです。

また、グローバルでは非常に認知度が高いものの、日本ではまだ知名度が低いという企業に対して狙い撃ちで転職活動を行うのも非常に有効です。すでに日本での体制ができあがっている大手に行くよりも、まさにこれからというフェーズの企業のほうが存在感を示しやすく、ビジネスが成功したときにより高い報酬や出世を期待することができます。

アメリカ系企業に強い転職エージェント

転職にあたっては、アメリカ系企業全体の特色だけでなく個別企業の特徴もおさえて準備や対策を進めていく必要があります。

下記のアメリカ系企業に強い転職エージェントを活用して、効率的に転職を進めていきましょう。

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