外資系企業とは

外資系企業の定義

外資系企業というと、海外から日本進出をしてきた企業というイメージが強いですが、正確には外国法人もしくは外国人が一定以上の割合で出資をしている企業が外資系企業と呼ばれます。その出資割合は、シーンによって様々ですが、経済産業省の調査などで用いられている以下の定義が一般的です。

  • 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している企業
  • 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している持株会社が出資する企業であって、外国投資家の直接出資比率及び間接出資比率の合計が3分の1超となる企業

したがって、日本で創業し、社内の日本人の率が100%であっても、外資比率が34%を超える場合は外資系企業と呼ばれることになります。

外資系企業の種類

外資系企業の種類は、出資の仕方によって以下のようにいくつかのタイプにわけることができます。

  • 創業時に外資出資率が100%の企業
  • 創業時に外資と日系企業で出資しあう合弁企業
  • 資本参加、資本提携
  • M&A(敵対的買収、友好的買収)

創業時に外資出資率が100%の企業

外資系企業として、もっとも認知されているの外資出資率が100%の企業です。有名なところでは、日本マイクロソフトや日本IBMなどがあります。出資比率を100%にすることで、本国との結びつきを強めたり、利益を1社で独占することができるようになるため、日本での展開に自信がある企業が採用する会社形態となります。

本国の戦略にのっとり、日本での事業が行われていきますので、販売戦略や開発戦略、人事戦略や人事制度なども本国の意向が強く反映されます。本国にとって日本の企業は「支社」扱いと考えておくとよいでしょう。なお、日本進出にあたりローカライゼーションを重視しているケースでは、日本色の強い企業となることがありますので、事前に経営方針を確認すると良いでしょう。

創業時に外資と日系企業で出資しあう合弁企業

外資が日本に進出する際に現地情報が十分でない場合や、結びつきが強いパートナー企業が存在する場合に採用する会社形態です。外資は日系企業に対して日本での土地勘や施設、ブランド、マーケティングノウハウなどを求め、日系企業は外資に対して技術や営業力、資本力、ブランドなどを求めてお互いに出資しあいます。それ以外にも、事業が失敗したときにお互いにリスクを軽減できるというメリットもあります。企業の具体例としては、3M(米)と住友電気工業の合弁会社である住友スリーエムや、富士フイルムホールディングス(旧富士写真フイルム)とゼロックス・リミテッド(米))の合弁会社である富士ゼロックスなどがあります。

2社以上で一つの企業を創るため、お互いの企業文化を取り込むか、全く新しい理念やルールの下で事業を運営していくこととなります。会社ができたばかりの状態だと企業文化や仕事のルールがしっかりと根付いておらず、業務上の混乱が起きることも少なくないので注意が必要です。

資本参加、資本提携

もともとは日系企業だったものの、外資の資本参加や外資との資本提携により外資化したという企業です。国内の有名企業でも、かなりの数がこの形態に分類されています。たとえば、2014年時点で東証上場企業のなかで外国人持ち株比率が33%を超えて外資系企業にあたるのは、マツダ、日立製作所、楽天、三菱地所、良品計画、ソフトバンク、村田製作所、カカクコム、バンダイナムコホールディングス、キーエンス、任天堂、三井不動産、レオパレス、ヤマダ電機、花王、アデランス、マクドナルド、新生銀行、昭和シェル、アサツーDK、オリックス、ラオックス、日産自動車、中外製薬、ドンキホーテホールディングスなど、100社を超えています。

経営戦略や事業戦略、人事戦略などはもとの会社のやり方を引き継いではいるものの、業績が悪化したり、目標が著しく未達などとなったりする場合には、株主である外資から経営者が送り込まれたり、株主総会で厳しく追及されるなど、肩身のせまい思いをすることもあります。

M&A(敵対的買収、友好的買収)

M&Aが実施される場合、買収する側とされる側で双方の思惑があります。出資する側としては、保有する施設やブランドを使用できる、現地のマーケティングノウハウが手に入れられる、既存事業とのシナジーが期待できる等のメリットがあります。一方で、買収される側は、外資の資金力やグローバルなネットワークを活用することで事業拡大や事業再建を実施することができる、厳しいマネジメントや企業文化を取り入れることで企業変革を促すことができるといったことがメリットとなります。

M&A実施後に起こりうるデメリットは、日本企業との間で組織風土の衝突が起こる、優秀な人材が流出する、システム統合によるコストが発生する、経営方針の一貫性が失われる(中長期利益を重視する/短期的な利益を重視する、などがあります。

応募先・転職先の資本状況や設立経緯を理解する

このように、一口に外資系企業と言っても、創業や外資化するまでに様々な経緯があるため、応募先や転職先の企業がどのタイプの「外資系企業」にあたるのかを調べて、企業の特徴やリスクなどを把握しておきましょう。

応募先・転職先の企業がどのように創業・外資化されたことを理解しておくことで、面接や転職後にスムーズに物事を進めることができるようになります。

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